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「ギタージャンボリー2020」J-WAVE WACODESがライブレポートをお届け【27日】

(写真はスガ シカオ/Photo by 上飯坂一)

「ギタージャンボリー2020」J-WAVE WACODESがライブレポートをお届け【27日】

豪華アーティストによるギター弾き語りのライブイベント「J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE 2020 RETURNS supported by 奥村組」が12月26日(土)、27日(日)に両国国技館で開催。オンラインでも配信された。2021年1月11日(月・祝)にJ-WAVEで18:00-24:00までライブ音源がオンエアされる。

このイベントを、次世代のJ-WAVEをつくる大学生・専門学生のコミュニティ「J-WAVE WACODES」が配信で視聴し、ライブレポートを執筆した。ここでは27日のライブレポートを、彼らのプロフィールとともに紹介する。(J-WAVE NEWS編集部)

★セットリスト、写真はこちら

【27日(日)出演アーティスト】
山崎まさよし、森山直太朗、スガ シカオ、ハナレグミ、橋本絵莉子、竹内アンナ、樽木栄一郎、真心ブラザーズ [ 全8組 ]※出演順
ゲストアクト : 瑛人

・スガ シカオ

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スガ シカオさんのギター1本での弾き語りライブについて、WACODESのけーたがお伝えします!
千穐楽のトップバッター、いや、「一番相撲」の土俵に上がったスガ シカオさん。その様からして貫禄たっぷりです。ポロポロと弦を爪弾きながら千穐楽は幕を開け、歌い始めたのは『アシンメトリー』。爽やかで優しい声が国技館を包み込みます。ギターをコツコツと叩いてリズムを整えたのちに『午後のパレード』が続き、ポップな曲調が徐々に会場の空気を温めていきます。
「今年は引きこもってばかりいたのでよくこの曲を聴いていました」と演奏したのは『サヨナラホームラン』。聴きながら、閉塞感漂う四月の日々から、もうこんなに時間が経ったのか、と感じたりしました。次の『坂の途中』で心休まる素朴な歌詞にうっとりしたかと思えば、『労働なんかしないで光合成だけで生きたい』という、実に曲名を覚えやすいナンバーではギターならではのグルーヴが聴く者の体を揺らせます。
そうこうしているうちにライブは佳境。最後の曲は、クールな声と洒落たメロディー、そしてその二つには似つかわしくないとんがった歌詞、というスガ シカオさんの魅力が詰まった『19才』。存分に、堪能させてもらいました。

・樽木栄一郎

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WACODESのはなが樽木栄一郎さんのライブレポートをお届けします。1曲目は世界の名曲『Black Bird』。大げさではなく、天を突き抜けるような高音のおかげで高貴な音楽を聴いている気がします。クラシックみたい、と思ってしまったほどです。
次に「カタンコトン」という歌詞が印象的な『プラレールの恋人』。イントロでは繊細な弦の音と声だけでこんなに惹きつけられるのか、と感動します。弦の余韻と歌声に文字通り酔いしれてしまいます。
続いて5年前の出演と絡めて、粋な演出で披露された『異邦人』。今まで聞いたどの『異邦人』よりも、おしゃれです。軽やかな音だけど、芯のある歌声で耳が心地よいです。
ここで「小さな会場でも大きな会場でも変わらない。お客さんのまなざしを感じるから、誰一人置き去りにすることなく笑顔でいられるように」と暖かいMCがありました。終止優しさに溢れたステージの中でも、この言葉は本当に愛に溢れていたと思います。
4曲目『さかな』、そして最後の『ミナモホトリテ』。歌詞の言葉を一つ一つ紡ぐ姿がとても美しいです。温かい空気に包まれ、独特の雰囲気に会場が包まれていました。それがとても素敵でした。来年もまたギタージャンボリーで聞きたいです。

・竹内アンナ

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再びけーたです。拍子木が鳴り、竹内アンナさんの名前がコールされてステージに上がると、国技館の雰囲気がパッと華やぎます。「いまだかつてこんなフレッシュな取り組みがこの土俵であっただろうか?」と思わせるステージは『RIDE ON WEEKEND』で軽快に幕を開けました。
音数は少なく、でもグルーヴはしっかりと。これこそがギター1本弾き語りの醍醐味、と言わしめるような演奏に続けて、TLCは1999年の『No Scrubs』のカヴァーを1曲。名曲を見事に、そして小粋に「竹内アンナ色」に染め上げているのはさすがの一言に尽きます。ゆるいグルーヴから一転、思わず踊りだしたくなるようなストロークに乗せて歌うのは『ALRIGHT』、そして勢いはそのままに『I My Me Myself』と続きます。聴いているだけで何だか楽しくなってくるポップな曲調も、ギターの音色だけだとどこか温かみを感じさせます。そしてライブの締めくくりは『Love Your Love』で。「信じた「好き」はちゃんと本物だから大丈夫、あなたの「好き」をあなたは嫌いにならないでね」という歌詞も、弾き語りではいつもより力強く聞き手の胸に届きます。
グルーヴあり、ポップ要素あり、そしてメッセージありと大満足の30分。今年初めてのアルバムをリリースしたとは思えない、堂々たる取り組みでした。

・橋本絵莉子

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再び、けーたです。橋本絵莉子さんには、力があります。場の空気を一瞬のうちにほんわかさせてしまう力です。国技館にいようが、配信で視聴していようが関係なく、彼女がステージに登った刹那、「橋本絵莉子の世界」がすでに広がっているのです。
ギターの音色に乗せてまず披露するのは『びろうど』。朗々と、そしてのびのびと響く歌声が国技館を満たします。小気味良いカッティングに続けて歌う『かえれない』がまっすぐに聞き手の胸に届いてきたと思えば、次の『もうねよう』を聴いて「今年も色々あったけど、まあいいか」と思えてくるのだからすごいです。続く『飛翔』では雰囲気が変わって疾走感のある曲調に。「まあいいか」と思った後には「来年はいい年にしよう」という気分にさせてくれました。
そして最後に演奏したのは、彼女が作詞作曲を手がけ、上白石萌音さんに提供した『白い泥』。カラッと、ポップに、そしてまっすぐに。ギター1本で空気を自由自在に操る「えっちゃん」の温かみと凄みがひしひしと伝わってくるライブでした。

・真心ブラザーズ

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WACODESに今期から加わりました、新メンバー大学一年のてぃんです。私は真心ブラザーズのライブについてお伝えします。
まずビジュアル面ですが、スーツ姿が非常に素敵でした。同じスーツではなくネクタイの柄も異なっており、シミラールックのようでお似合いでした。
実は、私が真心さんの楽曲に真剣に向き合うのは、今回が初めての機会でした。ギターが2つに声も2つ、4つも音色があるのにぶつからず聞き心地の良いハーモニーが奏でられていることに驚きつつも気持ちの良い時間でした。
詳細に述べたい曲が2つあり、1つ目が3曲目に披露した『RELAX ~ OPEN ~ ENJOY』です。ギターが1本でYO-KINGさんがメインで歌われており、アカペラの部分もある曲です。良い意味で力がないというか、意気込みすぎていないのに何故こんなに素晴らしいのだろう。私は普段フューチャーベースの曲をよく聴くので、音の重なりの層が薄く1音1音もシンプルなのに、このように曲になると重みと厚みがあるのが不思議でした。
2つ目が、最後に急遽演奏されていた『どか~ん』です。90秒ほどの短い曲でしたが、歌詞を今の自分に当てはめて耳に染み込ませながら聞きました。「空元気をフル回転して」というフレーズが、無理に元気を出さなくとも空元気があれば自分を奮い立たすことができるんだ、と思わせてくれました。素敵な演奏をありがとうございました。

・ハナレグミ

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再び、てぃんです。ハナレグミさんの出だしのトークでの「お値段以上のことをさせていただきます」という言葉に、まずとても引きつけられ、期待感が高まりました。出だしに限らずトークでの曲のつかみが毎度秀逸で、歌詞もそうですが、言葉選びにただただ感心させられます。緊張感がなく会場全体を、画面の奥にいる人たちをも巻き込んでほぐしてくれたように感じました。
3曲目の『きみはぼくのともだち』は初めて聞いた曲だったのですが、あまりに良い歌で生だったら確実に泣いていただろうなと思います。歌詞が自分に向けられているようでもあり、自分が大切に思う人への気持ちとも重なりました。普段音源も聞いていたら、生ならではの感動も感じられていたのではと悔しい気持ちにもなりました。
6曲目の『明日天気になれ』も初めて聞いた曲でしたが、大好きになりました。応援ソングにありがちな崖から落ちるほどの猛プッシュではなく、優しく背中を押してくれる、そんな曲だなと捉えました。
今回のライブでハナレグミのファンになりました。ありがとうございました。

・瑛人(ゲストアクト)

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WACODESのちっくんです。瑛人さんは、はじめに今年大ヒットした『香水』を歌唱。あの有名なMVで演奏している小野寺淳之介さんのギターにのせて温かな歌声を響かせ、会場を沸かせていました。今回私は配信でライブを鑑賞しましたが、ぜひ生で歌声を聞きいてみたいです。
2、3曲目は最新アルバム『すっからかん』から『僕はバカ』『HIPHOPは歌えない』を披露。すぐにサビを覚えてしまうくらいキャッチーなメロディと切ない歌詞が印象的な2曲でした。
登場から歌唱、トークシーンまで終始柔らかな表情を見せ、素朴な人柄が垣間見えるトークを繰り広げる姿を見てこちらもついつい笑顔に。私は瑛人について『香水』を聞いたことがあるという程度の知識しかなかったので、そのキャラクターを初めて知り、同時に魅了されました。今回はゲストアクトとしての登場でしたが、「次はババンと出てこられるように」と独特な表現で次回以降さらにビックになって登場することを宣言していました。

・森山直太朗

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再び、ちっくんです。森山直太朗さんの1曲目は、アカペラで『しまった生まれてきちまった』を披露。「~辿り着いたよ両国の街」と透き通る声で歌いだし一瞬で観客を魅了しました。歌声を存分に味わえる至福の時間でした。
『ラクダのラッパ』の「音楽したいと思っていたよ 音楽って絶対気持ちがいいんだ」という歌詞に感動し、緊急事態宣言が出たころにできたという『最悪な春』の歌唱シーンでは、卒業式は簡略化、入学式は中止になったなぁと感傷に浸り、それぞれの歌詞に自分の今の気持ちや、コロナ禍での体験を重ね合わせながら聞き惚れました。
登場から、選曲、『最悪な春』の歌詞の朗読など、ここまでの流れが一つの作品として演出され、独特の世界観が作り上げられていました。
森山直太朗劇場はここで第一幕が終了。第二幕は2組前に出演したハナレグミさんのMCに言及して開幕。「『どこもかしこも駐車場』がかかったら、今日やった曲全部駐車場横の歌になっちゃうぐらい恐ろしい曲だ」と話した永積タカシ(ハナレグミ)さんを呼び込みました。永積さんの「お前ほんとこの駐車場好きだな」の一言で土俵が駐車場に早変わり! 『どこもかしこも駐車場』を、ハナレグミの名曲『家族の風景』をはさみながら見事に歌い上げる二人に会場は大盛り上がりでした。最高の声のコラボは本当に気持ちがいいです! 全観客の脳内に「どこも~かしこも~駐車場~」という歌詞が刻み込まれ、帰り道で・布団の中で再生されたに違いありません!

・山崎まさよし

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再び、ちっくんです。千秋楽結びの一番を務めた山崎まさよしさんのステージの模様をお届けします!
Stingの名曲『Englishman In New York』を披露した後、おもむろに紙を持ち出し何やら読み出しました。
「ウセディソヤサミカザマイ○%×$☆♭#▲!※」
んん? ……これ、実は冒頭にタンバリンやギターの音色の録音に使用していたループマシンを使って逆再生すると、「盛り上がってるかーい両国ー、山崎まさよしです」というメッセージに。思わず笑ってしまうおちゃめな仕掛けでした。会場から大きな拍手が起こり、本人もとても満足げな表情を見せていました。
名曲『One more time, One more chance』にしみじみと聞き入った後『Fat Mama』のアップテンポなメロディに体を揺らして楽しみました。みんなで歌う想定で作ったという『Updraft』の歌唱前には、会場のお客さんに向けて「心の中で歌いなさい」との指示が。心の中で歌うコーラスの練習もしっかりと行われました。このライブを家から配信で観ていた私は、手を振りながら「らーらーらーらー」と声を上げて歌いましたが、会場にいた方々も心の中で熱唱していたと思います! 観客の大合唱が聞こえるような気がしました。オンラインで参加したライブでこんなにも一体感が感じられたのは初めてでした。
またまた例のループマシーンを使った逆再生で生まれた「ありがとうございました」が繰り返し再生される中退場した山崎まさよしさんでしたが、アンコールを求め鳴りやまない拍手にこたえて再登場し『セロリ』を披露。ギタージャンボリ―を圧巻のステージで締めくくりました。「オーイソトイオユ、よいお年をー!」

(Photo by 上飯坂一)

執筆者プロフィール

・けーた(担当:スガ シカオ、竹内アンナ、橋本絵莉子)
2000年生まれ。本と歴史と写真と音楽を愛する大学二年生。大学では政治学を専攻していながら、本屋とカフェと美術館に行くのが趣味というなんとも文化系な側面を持つ。コロナ自粛期間中、本屋に行けないフラストレーションによってネットで大量に購入した結果、積読が50冊を超えてしまうという取り返しがつかない事態になってしまう。しかし、「積読ではなく小さな本屋」と発想を転換することで罪悪感など遠い彼方へと吹き飛んでしまった。オムライスの玉子を上手に作るための「オムライスチャレンジ」を主宰。現在会員数三人。成功者いまだゼロ。
・はな(担当:樽木栄一郎)
WACODES6期生。大学2年生。音楽が大好き。最近はオーガニックや自然派のコスメなどにハマっている。冬休みは朝から晩まで毎日音楽、J-WAVE漬けしている。
・てぃん(担当:真心ブラザーズ、ハナレグミ)
WACODES7期生。服飾系大学1年で服作りを学んでいる。コーヒーと人と関わることが大好きで、カフェと老人ホームでアルバイトをしている。ピアノを弾くこととKPOP、お散歩が好き。
・ちっくん(担当:瑛人、森山直太朗、山崎まさよし)
WACODES7期。大学1年生。大学生になってからずっとオンラインで、ほぼ登校できていないのは寂しいが、最近は授業ギリギリまで寝て朝寝坊ライフを満喫している。数年前のギタージャンボリ―がきっかけでOKAMOTO'Sが大好きになった。

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