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ジャズは世界でどう進化した? 歴史と個性をSOIL&

ジャズは世界でどう進化した? 歴史と個性をSOIL&"PIMP"SESSIONS・社長が解説

【J-WAVE『SONAR MUSIC』から最新音楽情報をお届け】

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。10月より「音楽を愛する全ての人と作り上げる「(超)進化型音楽番組」として大幅リニューアルを遂げた。

JAZZのルーツは? 始まりは1917年

番組では毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。リニューアル後、初回10月1日(木)のオンエアでは、SOIL&"PIMP"SESSIONSの社長をゲストに迎え、奥深いJAZZの世界を紹介した。

JAZZにはどんな歴史があるのか。また、世界各国でどんな進化を遂げたのか。まずは社長がJAZZのルーツを語った。

社長:始まりは諸説あって、はっきりしてないんですが、初めてレコーディングが行われたのは1917年2月26日。オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンドがビクターからリリースした『Dixie Jass Band One Step / Livery Stable Blues』と言われています。
あっこゴリラ:古い! その当時の表記は「Jass」だったんですね。
社長:僕も何でなのかはわからないんだけど、これがのちに「JAZZ」に転換するんだよね。
あっこゴリラ:ディキシーランドってことは、アメリカの南部から始まったんですね。それがどのように広がっていったのでしょうか?
社長:それまでは生演奏でしか音楽を聴けなかったのが、エジソンの円筒型のフォノグラフに続き、円盤型のレコードが発明されました。1900年代に入りレコードが普及していく中で、そのレコードが世界に広まっていき大ヒットとなったそうです。
あっこゴリラ:なるほど~。おもしろい!

ちなみに社長はJAZZにハマったきっかけについて、「僕は偏っていて、DJカルチャーから入っていってる。いわゆるクラブJAZZ。だから生粋のJAZZ好きとはちょっと違うかもしれない。元ネタを掘っていって、JAZZに辿り着いたんだよね」と明かした。

【Michel Legrand and Co.『La Pasionaria』をradikoで聴く】

世界各国のJAZZはこう進化していった!

オンエアでは、実力派ジャズピアニストの甲田まひるも登場。甲田がJAZZを聴き始めたのは8、9歳のころ。甲田を交えて、世界各国のJAZZについて掘り下げた。

今回注目したのはJAZZの近代史。年代ごとに様々なトピックがあり、社長いわく「そこをやるには時間が足りなさ過ぎる」ということで、世界各国の最近のJAZZ事情を紹介した。

■アメリカ

社長:やはりJAZZが進化した大きな理由は、サンプリングカルチャーだと僕は思います。Public Enemy、Guru、A Tribe Called Questといったメジャーなヒップホップのユニットがジャズをサンプリングしたことによって、ダンスミュージックの一部となりました。ここで初めてJAZZに触れたという若者はたくさんいたと思います。そして、この世代を聴いて育った次世代のアーティストが、今めちゃめちゃおもしろいことをしてるわけです。例えば、ロバート・グラスパーは時代を作ったと言っても過言ではないと思います。西海岸の若手たちの生演奏によるヒップホップとの蜜月が、レーベル「Brainfeeder」を中心に現代ジャズの新しい流れを作っていったんですよね。
甲田:今はJAZZとヒップホップの境目が本当になくなってきていて、ロバート・グラスパーとかは、そのきっかけといっても過言ではないですよね。
社長:うん。まさにその最初のきっかけを作ったのが、ロバート・グラスパーだと思う。

■イギリス・ロンドン

社長:90年代から続くアシッドジャズ、ドラムンベース、ブロークン・ビーツと脈々を受け継がれていくダンスミュージックとしてのJAZZの文脈があります。やはりきっかけは「Acid Jazzで踊る」ことで、ダンスカルチャーと成長していったのがアシッドジャズなんです。それが最初に定義されたのがイギリス・ロンドン。その盛り上がりは世界に波及していきます。それを聴いて育った若手ミュージシャンが南ロンドンの移民文化と混ざり合い、ジャムセッションイベントから新世代のJAZZが生まれていった。そこから新しいUK JAZZが広がっていったんです。
あっこゴリラ:なんか胸が熱くなるね。確かに音を聴くと、アメリカとイギリスとの違いがすごくわかりますよね。UKはUKって感じがする(笑)。
社長:そうだよね。そこには、「Tomorrow’s Warriors」という音楽教育プログラムがあったことも重要だったと思います。簡単に言うと、JAZZに触れる機会を無料で与えてくれるんです。そして、同じイギリスでもマンチェスターでは、トランペッターでもあるMatthew Halsallが運営するゴンドワナ・レコーズを軸に、現代音楽的なアプローチでJAZZを進化させていくんです。代表するバンド、GOGO PENGUINは世界でブレイクしました。

GOGO PENGUIN『Raven』

■オーストラリア・メルボルン

社長:UKジャズに影響を受けつつ、オーガニックでソウルフルなサウンドが特徴です。ハイエイタス・カイヨーテの世界的ブレイクで、メルボルンシーンは注目を集めます。ミュージシャンの個性が強く、それぞれがリーダーとなり、「バンド名は違うけど、メンツはほとんど一緒やん」現象が多発(笑)。そして、ジャイルス・ピーターソンが運営する「ブラウンズウッド・レコーディングス」からリリースされたメルボルンのバンドの音源だけを集めたコンピレーション『Sunny Side Up』によって世界に音源が紹介されました。このコンピレーションを監修したキーパーソンがSilentJayです。

■イスラエル

社長:90年代、多くのJAZZミュージシャンがニューヨークに渡りました。本場のJAZZを吸収しつつも、そこで同じ故郷のミュージシャンとバンドを組み、そのサウンドが逆にニューヨークのJAZZシーンに大きな影響を与えました。それが2002年に結成された、Third World Love。「様々な民族、文化、歴史が去来した土地が発する哀愁漂うメロディ。数々のリズムが複合したリズム。そして、ある種のキャッチーさも持った各人のコンポジションと、物語性にも満ちた演奏展開。JAZZの即興の面白さと、中東という土地のルーツが融合した彼らの音楽には、自然に聴く者を熱くさせるものがあり、引き込む引力があります。またあるときはノスタルジーを呼ぶ」と評されています。実は現代JAZZの勃興の鍵は、ここにあるのではないかと個人的には思っています。

■エチオピア

社長:エチオピアには、JAZZと祖国エチオピアの音楽を融合することで生み出された全く新しいサウンド「エチオ・ジャズ」があります。ムラトゥ・アスタトゥケが生み出しました。日本の演歌のようなフレーズが独特で、すごくおもしろいです。

日本でJAZZが盛んだったのはいつ頃から?

一方、日本でJAZZはどのように浸透していったのか。

社長:実は日本のJAZZって、世界にすごく影響を与えてるんです。70年代後半に日野皓正氏をはじめ、名だたる日本人がアメリカに拠点を移し、現地のアーティストと名演を残してきました。そういった方々が帰国後、本場のアーティストも招聘して日本で録音した、80年代のいわゆる「フュージョン」とよばれるジャズには名演も多く、同時にお茶の間にもJAZZが浸透していったように思います。

現在はどんな進化を遂げているのだろうか。

社長:PE'Z、SOIL以降、TRI4TH、JABBERLOOP、fox capture planといった新世代JAZZバンドが、国内でJ-POPチャートやロックフェスで活躍するようになり、一定の市民権を得ました。同時に、黒田卓也、大林武司、BIGYUKIといったアーティストがアメリカで活躍し、世界水準のサウンドが国内からも生まれています。さらに、King Gnu、WONK、MELRAWといった、SOILなどの世代を聴いて育った20代の若手ミュージシャンが素晴らしいサウンドをプレイしています。

King Gnu『白日』

JAZZの柔軟性がいろんな音楽を取り込む

世界各地で独自の進化を遂げていったJAZZ。ジャンルとして、進化や融合がしやすいということなのだろうか。

社長:やっぱり、このJAZZの柔軟性がいろんな音楽を取り込む魅力でもあるし、融合できちゃうわけですよ。例えば、ダブステップ、グライムとJAZZを融合したSWINDLEは要注目です。2019年リリースのアルバム『No More Normal』には、ロンドンのニュー・ジャズシーンのアーティストとラッパーが参加しています。しかも、世界をそれでライブして回るんですよ。ライブでもパフォーマンスできるというのがすごい!

JAZZについて紹介したこの日の『SONAR MUSIC』。「これからJAZZにハマってみようかな?」と思った方は、今回紹介したアーティストや社長がおすすめする「Bandcamp」をチェックしてみてほしい。

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2020年10月8日28時59分まで

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番組情報
SONAR MUSIC
月・火・水・木曜
21:00-24:00

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