J-WAVEの番組『MESSAGE FROM UTAKATA』(ナビゲーター:宮沢和史)。6月24日(水)のオンエアでは、6月23日に沖縄・糸満市で行われた「慰霊の日」を振り返り、宮沢があらためて戦争と平和について考えた。
■慰霊の日-沖縄が世界中に平和を発信していく日
1945年6月23日、太平洋戦争末期の沖縄戦で日本軍の組織的な戦闘が終結したとされ、戦争で亡くなった人たちの思いや平和への願いを込めて、沖縄県では6月23日を「慰霊の日」と制定。毎年、最後の激戦地だった沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園で「沖縄全戦没者追悼式」が行われている。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、規模を縮小して追悼式が行われた。宮沢は「遺族への思いまで自粛することはなく、自分たちの意思で手を合わせてほしいという思いから追悼式が行われた」と語る。
宮沢:この日は沖縄県民の心がひとつになる日。自分の家族や身内など先祖はもとより、身近な人たちを亡くし、いまだ残る悲しみに手を合わせる日があることは非常に大事なこと。また、沖縄が世界中に平和を発信していく日でもあるので、今年は縮小されてしまいましたけど、ぜひ今後もずっと続けてほしい日であると思います。
「沖縄全戦没者追悼式」では毎年、学生による自作の詩の朗読も行われる。
宮沢:この詩の朗読が素晴らしいんです。過去を振り返る日ではあるけれど、これから沖縄を、そして日本を引っ張っていく若い人たちの考えが詩の朗読に表れて、過去と未来が結ばれる日でもあるんですね。とても印象的なシーンです。ぜひ、みなさんも機会があれば「慰霊の日」を体験していただければと思います。
■「平和を願う気持ちはみんな一緒」
宮沢は「慰霊の日」にちなんだ島唄を選曲。まずは、『屋嘉節』を紹介した。
戦争が終わる頃の金武村屋嘉に、日本軍の捕虜収容所である屋嘉収容所が設けられた。『屋嘉節』は、そこで制作された。
宮沢:この歌の歌詞は、「悲しいかな、沖縄は戦場になってしまい、世の中の大勢の袖を涙で濡らした。あなたは石川村の茅葺きの長屋にいる。私は屋嘉の収容所の砂地を枕に寝ている」というもの。その当時の目線で描かれた現場の声が歌になったというものです。
続いて、『軍人節~熊本節』を紹介した。
宮沢:この歌は、男性が「あなたと縁を結んだけれど、数えてみればその日々はわずかだった。お国のために別れなければならない。愛しい人よ、諦めておくれ」と歌い始めます。そうすると男性の妻が「あなたは軍人です。どうして泣いていられましょう。笑ってお戻りください。お国のために戦ってきてください」という内容を歌います。沖縄には大勢の日本兵がやってきて、沖縄の人もたくさん戦場に駆り出されます。男性の妻は本当の心の中は絶対違うけど、建前のうえでこういう会話をしなくてはいけない時代背景が沖縄にもありました。
宮沢は沖縄民謡の『平和の願い』も紹介。その歌詞を解説する。
宮沢:この曲は、「沖縄という島はいつも戦争の世だ。心安らかに暮らせるのは一体、いつのことだろう。思い願うことはただひとつ。恋しい日本、やがてそのお膝元のうれしさよ」と歌われています。これは1971年の作品で、沖縄が日本に返還される前の年に作られました。
「早くアメリカの統治区から出て、日本に戻りたいよ」と歌われているが、沖縄返還後も教育で日本化を進められ、依然として基地問題もあり、多くの問題が残っていると語る。
宮沢:沖縄にいろんなツケを残したまま現代を迎えているということで、非常にこの歌詞が胸に突き刺さり、戦争はまだ終わってないんだなという気になります。でも、この歌で歌われる平和への思いが音楽として花が咲くように美しく歌われると、現実はあるけれど平和を願う気持ちはみんな一緒だよと。早くこの島、日本、そして世界中が笑顔で過ごせる未来が来てほしいと願う気持ちが伝わってきます。
宮沢が紹介した沖縄の歌を聴き、あらためて戦争や平和について考えてみてほしい。
2013年3月に沖縄国際映画祭で上映された、宮沢や多くの人たちのインタビューをもとに楽曲『島唄』を解き明かすドキュメンタリー映画『島唄ものがたり』がYouTubeで公開中だ。
地域発信型映画「THE BOOM 島唄ものがたり」(読谷村)
J-WAVE『MESSAGE FROM UTAKATA』は、宮沢和史が沖縄の魅力や自ら収集した貴重な沖縄の島唄を紹介している。放送は水曜の26時00分から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年7月1日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『MESSAGE FROM UTAKATA』
放送日時:水曜 26時-26時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/utakata/
■慰霊の日-沖縄が世界中に平和を発信していく日
1945年6月23日、太平洋戦争末期の沖縄戦で日本軍の組織的な戦闘が終結したとされ、戦争で亡くなった人たちの思いや平和への願いを込めて、沖縄県では6月23日を「慰霊の日」と制定。毎年、最後の激戦地だった沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園で「沖縄全戦没者追悼式」が行われている。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、規模を縮小して追悼式が行われた。宮沢は「遺族への思いまで自粛することはなく、自分たちの意思で手を合わせてほしいという思いから追悼式が行われた」と語る。
宮沢:この日は沖縄県民の心がひとつになる日。自分の家族や身内など先祖はもとより、身近な人たちを亡くし、いまだ残る悲しみに手を合わせる日があることは非常に大事なこと。また、沖縄が世界中に平和を発信していく日でもあるので、今年は縮小されてしまいましたけど、ぜひ今後もずっと続けてほしい日であると思います。
「沖縄全戦没者追悼式」では毎年、学生による自作の詩の朗読も行われる。
宮沢:この詩の朗読が素晴らしいんです。過去を振り返る日ではあるけれど、これから沖縄を、そして日本を引っ張っていく若い人たちの考えが詩の朗読に表れて、過去と未来が結ばれる日でもあるんですね。とても印象的なシーンです。ぜひ、みなさんも機会があれば「慰霊の日」を体験していただければと思います。
■「平和を願う気持ちはみんな一緒」
宮沢は「慰霊の日」にちなんだ島唄を選曲。まずは、『屋嘉節』を紹介した。
戦争が終わる頃の金武村屋嘉に、日本軍の捕虜収容所である屋嘉収容所が設けられた。『屋嘉節』は、そこで制作された。
宮沢:この歌の歌詞は、「悲しいかな、沖縄は戦場になってしまい、世の中の大勢の袖を涙で濡らした。あなたは石川村の茅葺きの長屋にいる。私は屋嘉の収容所の砂地を枕に寝ている」というもの。その当時の目線で描かれた現場の声が歌になったというものです。
続いて、『軍人節~熊本節』を紹介した。
宮沢:この歌は、男性が「あなたと縁を結んだけれど、数えてみればその日々はわずかだった。お国のために別れなければならない。愛しい人よ、諦めておくれ」と歌い始めます。そうすると男性の妻が「あなたは軍人です。どうして泣いていられましょう。笑ってお戻りください。お国のために戦ってきてください」という内容を歌います。沖縄には大勢の日本兵がやってきて、沖縄の人もたくさん戦場に駆り出されます。男性の妻は本当の心の中は絶対違うけど、建前のうえでこういう会話をしなくてはいけない時代背景が沖縄にもありました。
宮沢は沖縄民謡の『平和の願い』も紹介。その歌詞を解説する。
宮沢:この曲は、「沖縄という島はいつも戦争の世だ。心安らかに暮らせるのは一体、いつのことだろう。思い願うことはただひとつ。恋しい日本、やがてそのお膝元のうれしさよ」と歌われています。これは1971年の作品で、沖縄が日本に返還される前の年に作られました。
「早くアメリカの統治区から出て、日本に戻りたいよ」と歌われているが、沖縄返還後も教育で日本化を進められ、依然として基地問題もあり、多くの問題が残っていると語る。
宮沢:沖縄にいろんなツケを残したまま現代を迎えているということで、非常にこの歌詞が胸に突き刺さり、戦争はまだ終わってないんだなという気になります。でも、この歌で歌われる平和への思いが音楽として花が咲くように美しく歌われると、現実はあるけれど平和を願う気持ちはみんな一緒だよと。早くこの島、日本、そして世界中が笑顔で過ごせる未来が来てほしいと願う気持ちが伝わってきます。
宮沢が紹介した沖縄の歌を聴き、あらためて戦争や平和について考えてみてほしい。
2013年3月に沖縄国際映画祭で上映された、宮沢や多くの人たちのインタビューをもとに楽曲『島唄』を解き明かすドキュメンタリー映画『島唄ものがたり』がYouTubeで公開中だ。
地域発信型映画「THE BOOM 島唄ものがたり」(読谷村)
J-WAVE『MESSAGE FROM UTAKATA』は、宮沢和史が沖縄の魅力や自ら収集した貴重な沖縄の島唄を紹介している。放送は水曜の26時00分から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年7月1日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『MESSAGE FROM UTAKATA』
放送日時:水曜 26時-26時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/utakata/
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