J-WAVE(81.3FM)×「MUSIC FUN !」連動企画である、深夜の音楽座談プログラム『WOW MUSIC』。“すごい”音楽をつくるクリエイターが“WOW”と思ういい音楽とは? 毎月1人のクリエイターがマンスリープレゼンターとして登場し、ゲストとトークを繰り広げる。
4月のマンスリープレゼンターは、音楽プロデューサーの蔦谷好位置。4月17日(金)のオンエアでは、君島大空をゲストに招き、音楽談議に花を咲かせた。
■蔦谷が衝撃を受けた楽曲『遠視のコントラルト』はデモ版もいい!
君島は1995年生まれ。2014年から活動を始め、同年からサウンドクラウドに自身で作詞、作曲、編曲、演奏、歌唱をし、多重録音で制作した音源の公開を開始する。2019年3月13日に自主制作ファーストEP『午後の反射光』を発表。同年4月には初の合奏形態でのライブを敢行。
7月5日には自主制作ファーストシングル『散瞳 / 花曇』を発表し、7月22日には「FUJI ROCK FESTIVAL」の「ROOKIE A GO-GO」に出演した。11月には合奏形態で初のツアーを、2020年1月には『no art,no life』(EテレNHKドキュメンタリー)の主題歌に起用される。
ギタリストとしては、高井息吹、坂口喜咲、婦人倶楽部、吉澤嘉代子などのライブや録音に参加する。そのほか、劇伴、楽曲提供など、さまざまな分野で活動中だ。
蔦谷が君島の音楽を聴いたのは、J-WAVEだったという。
蔦谷:僕は車を運転しているときにいつもJ-WAVEを聴いていて、『遠視のコントラルト』がかかって「なんだ、この曲は!?」と思ったんです。僕の世代は、ちょっとした懐かしさみたいなのも感じます。たとえば僕が学生時代の1997、8年ぐらいとかのBECKとかCorneliusとか、そういうサウンドも感じつつだったんです。SoundCloudで、デモ版が上がってましたよね? それも聴いたんです。
君島:恥ずかしい(笑)。
蔦谷:デモ版はすごくひずんでいて、衝動が詰まっている感じがして、それもすごく好きだったんです。
君島:僕もデモのほうが好きなんです(笑)。
蔦谷:レコーディングバージョンもすごく洗練されていて、歌もしっかり聴こえるしいいんですけど、デモ版は無骨で格好いいというか。
君島:うれしいです。
蔦谷:めちゃくちゃ好きでした、「ひずんでるな、これ」と思って。ひずんでいるなかにも、和声だったりギターのプレイも歌も含めて、全て繊細な美しさを感じるんです。
■君島大空の音楽のルーツは
君島は、父がフォークソング好きでギターを弾いていたということもあり、5歳のころからギターを教わっていた。家では、はっぴいえんど、大瀧詠一、加川 良などの音楽が流れていたのだとか。蔦谷はYouTubeで観たライブ動画をもとに、君島の音楽のルーツを尋ねた。
蔦谷:YouTubeで斎藤アリーナさんと一緒にやってらっしゃいましたね。あれは初対面なんですよね?
君島:そうですね。初対面のやつとライブっぽいやつ、ふたつ上がっています。
蔦谷:初対面でセッションをして、それを経て同じ場所でライブをやるんですよね。そのライブで細野(晴臣)さんのカバーをやってませんでした?
君島:やってます。『終わりの季節』。
蔦谷:これは君島さんがひとりで歌われてたと思うんですが、あんなギタープレイをしながらこんなアレンジにして歌うんだ。しかもそれが僕にはものすごく楽しそうに見えて、すばらしいなと思って。
蔦谷:お父さんの影響はけっこう強いですか?
君島:両親の影響が強いですね。
蔦谷:お母さんも好きなんですか?
君島:好きですね。母はAORがすごく好きなんです。ドナルド・フェイゲンのCDを与えられたりとかして「お母さん、こういうの聴いてるんだ」って。
蔦谷:どちらかというと緻密な音楽ですね。
君島:そうです。そこからフュージョンとかジャズとかを聴くようになったんです。
蔦谷:やっぱりジャズも通っていたんですね。『上を向いて歩こう』のカバーもYouTubeで斎藤さんとやられていました。『上を向いて歩こう』はすごくシンプルなコード進行だけど、カノン進行みたいな感じを取り入れつつも、代理コードで半音上がっていたりとか、そういうところがジャズ的なアプローチを感じました。
君島:裸を見られているようです(笑)。
蔦谷:いや、本当にすばらしいギタリストですね。ミュージシャンとしてはもちろんですが、その映像を観てプレイヤーとしても本当にすばらしいと思いました。全身が音楽だなと。ギターと一体になっているように僕には見えました。
■「楽音のひとつ」として始めたボーカル
君島は、高井息吹と高校生時代に知り合った。高井の歌をそばで聴いているうちに「僕も歌が作れたらいいな」と思い、18歳のころから作曲を始めたそうだ。
蔦谷:今のボーカルのスタイルは、ちょっとファルセットというか、男性か女性かわからないような感じというか。そういう感じはわざとやっているんですか? どのようにたどりついたんですか?
君島:たぶんなんですけど、パソコンで簡単に録音ができるようになってから「自分で曲を作ろう」となったので、ライブで歌うという意識がそもそもなくて、声は録れればいい、みたいな(笑)。全然、声量だったりを意識しない歌い方になっちゃったんです。実家で夜中に小さい声で録ったりしていたので。
蔦谷:なるほど。メロディーとして、ボーカルが楽器として必要だというのがアンサンブルのなかにあって、でも別に声を張り上げて歌う必要はないということですね。
君島:そうですね。楽音のひとつみたいな感じに近いです。
『WOW MUSIC』は、トークを動画でも配信中だ。
次回、4月24日(金)も蔦谷がナビゲーターを担当。ゲストに坂東祐大を迎え、音楽談義を繰り広げる。放送は24時30分から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年4月24日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『WOW MUSIC』
放送日時:毎週金曜24時30分-25時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/wowmusic/
4月のマンスリープレゼンターは、音楽プロデューサーの蔦谷好位置。4月17日(金)のオンエアでは、君島大空をゲストに招き、音楽談議に花を咲かせた。
■蔦谷が衝撃を受けた楽曲『遠視のコントラルト』はデモ版もいい!
君島は1995年生まれ。2014年から活動を始め、同年からサウンドクラウドに自身で作詞、作曲、編曲、演奏、歌唱をし、多重録音で制作した音源の公開を開始する。2019年3月13日に自主制作ファーストEP『午後の反射光』を発表。同年4月には初の合奏形態でのライブを敢行。
7月5日には自主制作ファーストシングル『散瞳 / 花曇』を発表し、7月22日には「FUJI ROCK FESTIVAL」の「ROOKIE A GO-GO」に出演した。11月には合奏形態で初のツアーを、2020年1月には『no art,no life』(EテレNHKドキュメンタリー)の主題歌に起用される。
ギタリストとしては、高井息吹、坂口喜咲、婦人倶楽部、吉澤嘉代子などのライブや録音に参加する。そのほか、劇伴、楽曲提供など、さまざまな分野で活動中だ。
蔦谷が君島の音楽を聴いたのは、J-WAVEだったという。
蔦谷:僕は車を運転しているときにいつもJ-WAVEを聴いていて、『遠視のコントラルト』がかかって「なんだ、この曲は!?」と思ったんです。僕の世代は、ちょっとした懐かしさみたいなのも感じます。たとえば僕が学生時代の1997、8年ぐらいとかのBECKとかCorneliusとか、そういうサウンドも感じつつだったんです。SoundCloudで、デモ版が上がってましたよね? それも聴いたんです。
君島:恥ずかしい(笑)。
蔦谷:デモ版はすごくひずんでいて、衝動が詰まっている感じがして、それもすごく好きだったんです。
君島:僕もデモのほうが好きなんです(笑)。
蔦谷:レコーディングバージョンもすごく洗練されていて、歌もしっかり聴こえるしいいんですけど、デモ版は無骨で格好いいというか。
君島:うれしいです。
蔦谷:めちゃくちゃ好きでした、「ひずんでるな、これ」と思って。ひずんでいるなかにも、和声だったりギターのプレイも歌も含めて、全て繊細な美しさを感じるんです。
【MUSIC FUN! × J-WAVE】
— MUSIC FUN ! (@musicfun_JP) April 19, 2020
今回は君島大空(@ohzr_kshm)さんをお迎えして、蔦谷(@KoichiTsutaya )さんが君島さんの音楽のルーツに迫ります!
▽動画はこちら▽https://t.co/LVLtp5PE9L
次回のゲストは、嵐、宇多田ヒカル、米津玄師らの編曲を手がかる音楽家の坂東祐大(@YutaBandoh)さん pic.twitter.com/Sskg4sNwy3
■君島大空の音楽のルーツは
君島は、父がフォークソング好きでギターを弾いていたということもあり、5歳のころからギターを教わっていた。家では、はっぴいえんど、大瀧詠一、加川 良などの音楽が流れていたのだとか。蔦谷はYouTubeで観たライブ動画をもとに、君島の音楽のルーツを尋ねた。
蔦谷:YouTubeで斎藤アリーナさんと一緒にやってらっしゃいましたね。あれは初対面なんですよね?
君島:そうですね。初対面のやつとライブっぽいやつ、ふたつ上がっています。
蔦谷:初対面でセッションをして、それを経て同じ場所でライブをやるんですよね。そのライブで細野(晴臣)さんのカバーをやってませんでした?
君島:やってます。『終わりの季節』。
蔦谷:これは君島さんがひとりで歌われてたと思うんですが、あんなギタープレイをしながらこんなアレンジにして歌うんだ。しかもそれが僕にはものすごく楽しそうに見えて、すばらしいなと思って。
蔦谷:お父さんの影響はけっこう強いですか?
君島:両親の影響が強いですね。
蔦谷:お母さんも好きなんですか?
君島:好きですね。母はAORがすごく好きなんです。ドナルド・フェイゲンのCDを与えられたりとかして「お母さん、こういうの聴いてるんだ」って。
蔦谷:どちらかというと緻密な音楽ですね。
君島:そうです。そこからフュージョンとかジャズとかを聴くようになったんです。
蔦谷:やっぱりジャズも通っていたんですね。『上を向いて歩こう』のカバーもYouTubeで斎藤さんとやられていました。『上を向いて歩こう』はすごくシンプルなコード進行だけど、カノン進行みたいな感じを取り入れつつも、代理コードで半音上がっていたりとか、そういうところがジャズ的なアプローチを感じました。
君島:裸を見られているようです(笑)。
蔦谷:いや、本当にすばらしいギタリストですね。ミュージシャンとしてはもちろんですが、その映像を観てプレイヤーとしても本当にすばらしいと思いました。全身が音楽だなと。ギターと一体になっているように僕には見えました。
■「楽音のひとつ」として始めたボーカル
君島は、高井息吹と高校生時代に知り合った。高井の歌をそばで聴いているうちに「僕も歌が作れたらいいな」と思い、18歳のころから作曲を始めたそうだ。
蔦谷:今のボーカルのスタイルは、ちょっとファルセットというか、男性か女性かわからないような感じというか。そういう感じはわざとやっているんですか? どのようにたどりついたんですか?
君島:たぶんなんですけど、パソコンで簡単に録音ができるようになってから「自分で曲を作ろう」となったので、ライブで歌うという意識がそもそもなくて、声は録れればいい、みたいな(笑)。全然、声量だったりを意識しない歌い方になっちゃったんです。実家で夜中に小さい声で録ったりしていたので。
蔦谷:なるほど。メロディーとして、ボーカルが楽器として必要だというのがアンサンブルのなかにあって、でも別に声を張り上げて歌う必要はないということですね。
君島:そうですね。楽音のひとつみたいな感じに近いです。
『WOW MUSIC』は、トークを動画でも配信中だ。
次回、4月24日(金)も蔦谷がナビゲーターを担当。ゲストに坂東祐大を迎え、音楽談義を繰り広げる。放送は24時30分から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年4月24日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『WOW MUSIC』
放送日時:毎週金曜24時30分-25時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/wowmusic/