マイブラ直系のノイジーなギターと甘いヴォーカル…Peel Dream Magazineの一枚

J-WAVEの番組作りに携わるスタッフたち。日々、ジャンルを問わず音楽を聴き続けているラジオ番組制作者たちの、おすすめの楽曲やアーティストを紹介します。(J-WAVE NEWS編集部)


■Peel Dream Magazine『Agitprop Alterna』

なかなか眠ることが出来ず、朝になってしまった日曜日。ちょうどいいからと取り出したThe Velvet Undergroundのファーストアルバム。オープニングトラックが良いアルバムはやはりその全体も良い。The Velvet Undergroundに影響を受けているバンドの数なんて数えきれないくらいいるけれど、このPeel Dream Magazineも間違いなくそのうちの一組だろう。

ニューヨークを拠点に活動する4人組のバンドPeel Dream Magazineのセカンドアルバム『Agitprop Alterna』は「Pill」という曲で幕開ける。



My Bloody Valentine直系のノイジーなギターと甘いヴォーカルの組み合わせが気に入ったならば、あなたはアルバムが終わるまで止めずに聴き続けること間違いないだろう。MVもなんとなく「Soon」と似ている。

そしてもう一組、影響が顕著なのはStereolab。2曲目の「Emotional Devotion Creator」なんかは、歌の符割りがモロである。



John McEntireがプロデュースする以前のStereolabと、Kevin Shieldsがスタジオに篭りすぎて、クリエイションを倒産寸前に追い込む前のMy Bloody Valentineが共演しているような、モノマネでは終わらない、絶妙なバランス感覚を持ったアルバム。


■執筆者プロフィール

・盛口 薫(もりぐち・かおる)
担当番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』『TAKRAM RADIO』
ラジオ番組制作者。初めて生で見た有名人はカイヤ。この春、大阪にある実家が諸事情のため消滅したので、行き場を失ったCDがダンボールに入って、現在住んでいるワンルームのド狭い部屋に積み重なっている。

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