Netflix『タイガーキング: ブリーダーは虎より強者?!』

「動物好き=いい人」ではない! トラに賞味期限切れのエサを…劣悪男との仁義なき戦い【Netflixドキュメンタリー】

J-WAVEで放送中の番組『RADIO DONUTS』(ナビゲーター:渡辺 祐・山田玲奈)のワンコーナー「TOKYO GAS LIFE IS A GIFT」。4月4日(土)のオンエアでは、日本最大級のメールマガジン『水道橋博士のメルマ旬報』の編集や「本屋大賞」の運営などで知られる原カントくんが登場。Netflixでおすすめのドキュメンタリー番組を紹介した。


■Netflixでおすすめのドキュメンタリー作品

「今こそ飛び込め! ドキュメンタリーの沼」と題し、まずは原カントくんがNetflixドキュメンタリー作品にハマった理由を語った。

:なんでNetflixのドキュメンタリーが僕に刺さるかなんですけど、まず資金力がハンパない。ニッチな題材を撮影するのに1、2年の密着は当たり前。これってたぶん今の日本のテレビ局がやろうとすると、そうとう体力が必要なんですね。あと一番大きいのは、テレビと違ってスポンサーがないってことなんです。スポンサーに配慮せず、タブーに切り込んでいけるということです。あと、だいたい1話で終わらず延々と2話3話と続いていくので、観だすと沼にハマります。ちょうど外出自粛している今観ると大変なことになるんじゃないかと思っています。

そんな原カントくんが今回おすすめした作品は『タイガーキング: ブリーダーは虎より強者?!』。

<あらすじ>
猛獣に魅せられた男女の常軌を逸した行動と、本当にあった殺人依頼。私設動物園の園長が犯した罪を軸に、トラの繁殖にまつわる知られざる裏の世界を映しだす(Netflix公式より)。


:タイトルを見て、ほのぼのとしたディズニー映画かなと思って観ると大変なことになります。トラ好きライオン好きで、自分で動物園を作っちゃった通称ジョー・エキゾチック(ジョゼフ・マルドナド=パッセージ)という男に密着取材します。彼は従業員を劣悪な環境で働かせたり、トラに賞味期限切れのハムやスパムを与えたりしてるわけなんです。これを見かねたキャロル・バスキンという動物愛護団体の女性が現れまして、その人がトラを愛護するためにジョーを付け狙うようになって、ジョーとキャロルのトラを巡る仁義なき戦いが起きてゆくんです。ここまで説明しても全7話のうちの3話くらいまでのストーリーなので、残りはぜひ配信でお楽しみください。アメリカ人の「闇の深さ」みたいなのが感じられます。動物好きは必ずしも全員いい人ではないぞっていうのがすごくよくわかる作品になっています。


■「地獄絵図が繰り広げられます」

続いて原カントくんは、『FYRE:夢に終わった史上最高のパーティー』を紹介した。

<あらすじ>
オシャレな私有島に集う豪華な音楽フェスとして派手に売り出されたFYRE(ファイア)は、ある実業家の思い上がりとずさんな運営により未曾有の惨事に終わる(Netflix公式より)。


:2017年に実際にアメリカで行われかけたフェスを追ったドキュメンタリーなんですけど、どっかのIT社長が当時人気のあったジャ・ルールっていうラッパーと組んで、パリピたちとバハマ諸島のリゾート島で音楽フェスをやろうってことで盛り上がるんです。スーパーモデルやDJたちを集めて、かっこいいPVを作って、夢のようなパーティーをアピールしたらそれがバズっちゃって、高額でチケットを売り出したのに、誰もやれる人がいないままフェスの準備が始まっちゃうんです。まず、何千人も収容する部屋がない。映像ではヴィラとかコテージなんですけど、全然そんなわけなくて……IT社長に「このままじゃ、やばいですよ」って言った人がどんどん切られていって、最終的には「うんうん、わかるわかる」って言ってた人たちだけが残ってゆくっていう地獄のような様相が繰り広げられていくんですね。実際にフェスが始まってセレブたちが来てみたら、運動会の掘っ立て小屋みたいなテントだけがあって、なぜか直前に嵐が起きて、そのテントすらも水浸しになっているんです。帰りの飛行機もなく、ろくな食料もなくて、パンにチーズを挟んだだけみたいな食事が出されて、最後はテントとパンを求めて金持ちたちが争う地獄絵図が繰り広げられます。


『FYRE:夢に終わった史上最高のパーティー』は、第71回エミー賞の「ドキュメンタリー/ノンフィクション・スペシャル部門」を含む4部門にノミネートされた。


■飽きない「本屋 B&B」

原カントくんが運営する、下北沢にある書店「本屋 B&B」が、春にリニューアルオープンを果たした。書店として大切にしていることを訊いた。

:4月1日にリニューアルオープンしまして、初めて新築物件に入りました。街の本屋さんと並んでいるものは何も変わらないんですが、本の並べ方がちょっと違っています。普通なら雑誌コーナー、文芸コーナーとかジャンルで分かれていると思うんですけど、「本屋 B&B」はたとえばパンの歴史の本が置いてあったらパンの料理本が隣にあって、その隣にパンを扱った漫画が並んでいるという、文脈を持った棚を演出しています。人の手が入ったことが感じられる店舗づくりを目指しています。

渡辺は移転前に何度か「本屋 B&B」に足を運んでおり、「本当に文脈が面白く並んでいて飽きない書店です。書店もNetflixドキュメンタリーも『知らないことを知るための場所』って大事ですよね」と感想を述べた。


『RADIO DONUTS』のワンコーナー「TOKYO GAS LIFE IS A GIFT」では、毎週、ある一人の人間の人生にフォーカスし、誰もが知っている有名なワンシーンの裏にあったストーリーから、知る人ぞ知る隠された感動の出来事にもクローズアップ。さまざまなエピソードや音楽とともに綴る30分間をお送りしている。オンエアは毎週土曜、10時10分頃から。

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年4月11日28時59分まで)
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【番組情報】
番組名:『RADIO DONUTS』
放送日時:毎週土曜 8時-12時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts 

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