YouTubeで急上昇トレンド一位! イスラエル・ミズラヒ音楽の帝王「Eyal Golan」

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。音楽プロデューサー、CD・レコードショップのバイヤー、ライブハウスのスタッフ、音楽評論家、海外在住の音楽ライターなど、様々なジャンルの音楽好きが日替わりでヤバい音を紹介する「GEEK OUT」のコーナー。

1月29日(水)は、テルアビブ在住のライター・がぅちゃんが、イスラエルの音楽事情を紹介した。


■イスラエル独自の音楽ジャンル「ミズラヒ音楽」

同コーナーに2度目の出演となるがぅちゃん。今回はイスラエル独自の音楽で、王道ジャンルと言われている「ミズラヒ音楽」を紹介した。

がぅちゃん:イスラエルは先進国なので、他国同様アメリカの音楽などが流行っていますが、イスラエルの音楽としてはミズラヒ音楽が今も強く人気があります。
あっこゴリラ:うんうん。
がぅちゃん:ミズラヒ音楽とは、「ミズラヒ系ユダヤ人がパフォーマンスする音楽」という意味があります。そもそもミズラヒ系ユダヤ人とは、中東(アラブ諸国)からやってきた人たちなんですが、イスラエルは世界中のユダヤ人がやってきて出来た国なので、ルーツによって「何々系ユダヤ人」という分類があります。つまり「ミズラヒ音楽」とは、アラブの音にイスラエルの言葉(ヘブライ語)で歌う音楽です。
あっこゴリラ:勉強になる!
がぅちゃん:歴史とかも関わっています。イスラエルは1948年にできた新しい国ですが、そのときに公用語のヘブライ語というのができました。そこにアラブのルーツを持った人が来て、国の言葉と一緒に発展させていったので、今ではイスラエルならではの音楽ジャンルということになっています。


■演歌なのに演歌じゃない。エモくて情緒があるけどロックでポップ

今回がぅちゃんが紹介したのは、イスラエルで最も成功し、ミズラヒ音楽の帝王と言われているEyal Golan。

がぅちゃん:イスラエル人はみんな知ってる、日本でいう松本人志みたいな感じの人です。みんな知っててみんな楽しめるミズラヒ音楽の基準点をつくるような人です。
あっこゴリラ:うんうん。
がぅちゃん:日本で言うと、演歌と歌謡をポップにしたようなテイストなんですよ。前回、ネッタ・バルジライを紹介しましたが、ネッタは最先端にミズラヒを取り入れた感じなんです。それに対してEyal Golanは、あくまでミズラヒで最先端に進むみたいなスタンスです。
あっこゴリラ:なるほど! 
がぅちゃん:味わい深い聴き心地で、矢沢永吉とか内藤やす子みたいな、演歌なのに演歌じゃない、エモくて情緒あるけどロックでポップ、みたいな独特な雰囲気がある人なんですね。
あっこゴリラ:すごいわかりやすい説明!

このEyal Golanもミズラヒ系ユダヤ人で、モロッコとイエメンにルーツを持つアーティスト。イエメン系ユダヤ人というのは「最もユダヤ人らしいユダヤ人」とも言わている。

がぅちゃん:今日紹介する『La'asot Itach Shalom(Make peace with you)』は、「仲良くしたい 。一人で寂しくて君のことばっかり考えちゃうよね」みたいな、曲的には典型的なミズラヒ音楽です。1月末にリリースされたばかりで、YouTubeでは急上昇トレンド一位になりました
あっこゴリラ:おぉ〜。
がぅちゃん:あきらかに今までとは異なっています。元々ヨーロッパのちょい悪オヤジみたいな曲が多かったんですけど、2017年あたりから爽やかになりだしました。
あっこゴリラ:そうなんだ。
がぅちゃん:今回の曲の構成にもそれが表れてて、現代的でトリッキーなヘブライ語のフロウを入れてきたと思ったら、サビでいつものイヤル・ゴラン節が出てきて、みんなが聴けるミズラヒポップの最先端な曲になってます。



あっこゴリラ:面白い! 確かに演歌っぽいんだけどビートがかっこいいんですよね! ベースとドラムもすごいかっこいい。
がぅちゃん:普段もうちょっとゆっくりな曲が多いんですけど、早口になってるっていうのも特徴的ですね。

今回紹介したEyal Golan、気になる人はぜひチェックしてみて欲しい。

【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時−24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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