吉田類が新宿のうなぎ屋で感動した「鍾乳洞のような油煙」って?

J-WAVEで1月13日(月・祝)、成人の日にオンエアした、9時間の生放送番組「J-WAVE HOLIDAY SPECIAL TOKYO KANDO SEN presents WONDER CIRCLE STORIES」(ナビゲーター:サッシャ)。山手線で育まれる感動ストーリーを発信する番組だ。17時台には吉田類が登場。山手線にまつわる酒場体験を語った。


■新宿の「ばるぼら屋」は、事務所の代わり

イラストレーター、酒場ライターとして活動する吉田は、山手線思い出の駅に「新宿」を挙げた。

吉田: 20台後半、30歳前後はイラストレーターだったり、いろんな街のルポも書いていたりしたんですが、編集者との打ち合わせそのものがほぼ飲み会みたいなものだったので、新宿のゴールデン街に出入りする店ができまして。

吉田は、新宿のゴールデン街にある「ばるぼら屋」に出入りするようになり、店主とも友人関係にあるという。

吉田:「ばるぼら屋」の2階には小さな座敷がありまして、そこを僕の事務所代わりに使ってましたかね。何かとある打ち合わせはその場所で、みなさん、お酒の好きな人が多いので1番集まりやすいんですよね。そこからお酒の話といえば、そのまま仕事に展開するというね、そういうおもしろいところだったんですね。ガラス張りで外から見えるので、みんな安心して行ける場所だったんです。ゴールデン街はご存知のとおり、怪しい場所もたくさんあったので、その雰囲気が編集者には逆にウケてたんでしょうかね。そういうこともあって、各編集者は必ず何軒かの行きつけのお店を持っている感じでしたね。



同じく新宿の西口にある「思い出横丁」の体験も語られた。

吉田:(思い出横丁の)真ん中に「カブト」という鰻屋さんがありまして。僕に言わせれば思い出の店で、しかも名店で。(お店の)古さもそうなんですが、鰻の油煙が上がって、傘のある裸電球にべっとりとつくわけですよ。それがどう見ても、鍾乳洞のように見えちゃうわけです。それに感動しまして、そのことから物語を書き始めたことがありました。だから「カブト」へ行くと、(読者の)みなさんが鍾乳洞のような油煙を探されることがいまだにあるみたいですね。


■新橋には「楽しさとわびしさがある」

立ち飲みに関する本を書くことにあたって、「立ち飲み屋は新橋が1番多かった」という吉田は、新橋のとある立ち飲み屋について語った。

吉田:烏森神社の入口に「王将」という古い立ち飲み屋があるんですが、そこが知る限りで新橋で1番古い立ち飲み屋で、しかも残ってたんですよね。開発で新橋ビルになって(街並みが)変わっていく中で、「王将」だけは戦後の新橋の立ち飲み屋の原型をそのまま残しているんです。(神社の)角っこにあって、冬場はシートで立ち飲み屋のスペースの部分を囲ってあるんですよね。中は見えないので、みんな敷居が高くなっていると思い込んで入らなかったんです。僕はそのまま入って「こんにちは」というか、先入観をあまり持たないでどこにでも入っていくので、すぐに友だちになりまして、すごくいい記事を書かせていただいたことがありました。

最後に、吉田は新橋の街並みを酒場目線で振り返った。

吉田:新橋はいろんな意味で思い出の多いところですね。やはり立ち飲み屋さんが多くて、みなさんが終電に走り込んでいくわけですけど、立ち飲み屋ですからパッと出られるわけですよね。そういう風に飲まれる方がいて、サラリーマンの方の生活と駅と結びついているという意味では、新橋のSL広場を始め、周辺のお店もみんな楽しいというか、ちょっとわびしいところもあるんですが、そういう思い出がありますね。

同番組発の音声コンテンツは、2020年2月に「⼭⼿線RADIO powered by J-WAVE」と題して、一部の山手線車内にて配信予定。

【番組情報】
番組名:『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL TOKYO KANDO SEN presents WONDER CIRCLE STORIES』
放送日時:1月13日(月)9時-17時55分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/holiday/20200113/

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