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ベースの底力を! 日本の音楽シーンを熱く盛り上げるベーシストが集結した「THE BASS DAY LIVE 2019」レポート

ベースの底力を! 日本の音楽シーンを熱く盛り上げるベーシストが集結した「THE BASS DAY LIVE 2019」レポート

「ベース=地味ってイメージ、だんだんなくなってきてるんじゃないかって気がする。ベースのイベントでこれだけ人が集まるってすごいことですよ!」

マイケル(夜の本気ダンス)の言葉どおり、ここ最近ベース人気は目を見張るものがある。「THE BASS DAY LIVE 2019」が行われた11月11日(月)は、「ベースの日」。「#ベースの日」がTwitterトレンド2位を獲得するなど、SNSでの盛り上がりもさることながら、ライブ会場であるマイナビBLITZ赤坂は当たり前のように満員。会場内のベース人口の多さ(イベント内のアンケート調査による)や盛り上がりっぷりにも驚かされた。

2013年に行われたJ-WAVEの番組企画に端を発し、クラウドファンディングで集まった有志たちによって、2014年に日本記念日協会から記念日としての正式制定された「ベースの日」。そして、これに伴い2015年より行われている「THE BASS DAY LIVE」の「ベースという楽器の素晴らしさを広めたい」という目的は、数年目にしてすでに果たされたと言って違いない、そう感じさせるものすごい熱気に包まれたライブだった。

【ライブ音源をradikoで聴く(2019年11月21日28時59分まで)】ウエノコウジ AND 百々和宏『1970 (LIVE AT THE BASS DAY LIVE 2019)』

【ライブ音源をradikoで聴く(2019年11月21日28時59分まで)】武田祐介(ベースカルテット2019)『OB-LA-DI,OB-LA-DA (LIVE AT THE BASS DAY LIVE 2019)』

【ライブ音源をradikoで聴く(2019年11月21日28時59分まで)】マイケル(夜の本気ダンス)『GET WILD (LIVE AT THE BASS DAY LIVE 2019)』

オープニングを飾ったのは、ウエノコウジ(the HIATUS)/Bassをホストに迎えた、百々和宏(MO’SOME TONEBENDER)/Vocal,Guiar、有松益男(BACK DROP BOMB)/ Drums、ヤマジカズヒデ(dip)/ Guiarの4人編成バンド。いきなりのベテラン勢登場に大きな歓声が上がる。BGMが鳴り止んだ瞬間、間髪入れずに始まったステージは、初っ端からフルスロットル。11曲のセットリストが徹頭徹尾、息をつく間もないほどの熱狂の中で披露された。ライブ前に「好きな音楽を好きな人とやろうと思う」と語っていたウエノコウジはその言葉どおり、ザ・ストゥージズやザ・クラッシュのカバーなどを含め、骨太のパンクロックで会場を痺れさせた。「歌を歌う人が一番偉いと思う。だけど、その裏で手綱引いてるのがベースなんだよ。とにかく今日は楽しかった!」とMCで語ったその台詞から、ウエノコウジ流のベース愛が伝わった。

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続いて登場したのは、武田祐介(RADWIMPS)/Bass率いる「ベースカルテット2019」と名付けられた4人組。休日課長 (ゲスの極み乙女。,DADARAY, ichikoro)/Bass、ひろせひろせ (フレンズ)/Bass、安井英人 (BIGMAMA) /Bassというメンバーだ。先ほどとは打って変わって和やかなムードの中、マイケル・ジャクソンの『Smooth Criminal』や、まさかの『ドラゴンボール』OPなどが、ベースオンリーのユニークなアレンジで披露。武田祐介がルーパーを使用して即興でドラムパートを作り上げる一幕もあった。あるときはリード、あるときはリズム、そしてコーラス……、それぞれのメンバーが役割と音色を変えて演奏を繰り広げることで、ベースという楽器の可能性と特異性が存分に伝わる。ステージの後半には佐藤千亜妃/Vocalも参戦し、『OB-LA-DI,OB-LA-DA』などを瑞々しく柔らかな歌声で歌い上げる。約30分のパフォーマンスの中で多彩にベースで魅せる展開をつけ、終始新鮮なワクワク感に満ちた時間となった。

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「THE BASS DAY LIVE」の見どころのひとつは長めのMCタイムでもある。J-WAVEナビゲーターである藤田琢己が転換の合間、出演者をゲストに招きJ-WAVEの番組さながらのトークショーを展開。事前に募ったファンからの質問をその場でぶつけたりする。「自分をベースの弦にたとえると何弦ですか?」とか「ベースを演奏する前のウォーミングアップは何をしていますか?」といった、超マニアックな質問が飛びたす場面も。このライブならではの会話セッションもオーディエンスを大いに盛り上げ、ときに爆笑の渦を巻き起こした。

トリを務めたのは、マイケル(夜の本気ダンス)/Bassを中心に構成された6人組。”THE BASS DAY LIVE”史上最多となるベーシスト数のセッションバンドだ。「大好きな人達のプレイを是非ともみんなに見て欲しい!って気持ちで先輩方に声をかけさせていただきました!」というマイケルからの誘いに、長島涼平(the telephones,フレンズ)/Bass、酒井亮輔 (BRADIO) /Bass、有江嘉典(VOLA&THE ORIENTAL MACHINE) /Bass、辻怜次 (Bentham)/Bass、佐藤謙介(髭,パスピエ)/Drumsという世代を超えた実力派が集まった。ウエノコウジらのパフォーマンスのあとに行われたMCタイムに参加し、「いきなり先輩の凄まじいライブに圧倒されてビビり散らかしてる。お腹痛いです」と漏らしていたマイケルだったが、YMO『ライディーン』やTM NETWORK『Get Wild』といった有名曲をベース5本プラスドラムという編成にて、この日一番の重低音量で披露。曲中のソロを回している最中、不意に舞台袖に現れたウエノコウジと武田祐介がサプライズ参加するという嬉しいハプニングもあり、長いソロタイムを経てこの日のライブは大円団で幕を閉じた。

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ベースという楽器の底力を知ることで、音楽の聴き方は歴然と変わってくる。改めてそう認識させられた一日となった。

文:濱安紹子
撮影:上飯坂一

11月14日(木)の『STEP ONE』では、「THE BASS DAY LIVE 2019」のライブ音源をオンエア! 当日の熱気伝わる音源を、ぜひradikoでチェックしてみてほしい。

【ライブ音源をradikoで聴く(2019年11月21日28時59分まで)】ウエノコウジ AND 百々和宏『1970 (LIVE AT THE BASS DAY LIVE 2019)』

【ライブ音源をradikoで聴く(2019年11月21日28時59分まで)】武田祐介(ベースカルテット2019)『OB-LA-DI,OB-LA-DA (LIVE AT THE BASS DAY LIVE 2019)』

【ライブ音源をradikoで聴く(2019年11月21日28時59分まで)】マイケル(夜の本気ダンス)『GET WILD (LIVE AT THE BASS DAY LIVE 2019)』

【出演者】
■ウエノコウジ(the HIATUS, 武藤昭平withウエノコウジ、THE King ALL STARS)/Bass、百々和宏(MO’SOME TONEBENDER)/ Vocal,Guiar、有松益男(BACK DROP BOMB,PONTIACS,J)/ Drums、ヤマジカズヒデ/ Guiar

■武田祐介(RADWIMPS)/Bass、休日課長 (ゲスの極み乙女。,DADARAY,ichikoro)/Bass、ひろせひろせ (フレンズ)/Bass、安井英人 (BIGMAMA) /Bass、佐藤千亜妃/Vocal

■マイケル(夜の本気ダンス)/Bass、長島涼平(the telephones,フレンズ)/Bass、酒井亮輔 (BRADIO) /Bass、有江嘉典(VOLA&THE ORIENTAL MACHINE,MOON・BEAM)/ /Bass、辻怜次 (Bentham)/Bass、佐藤謙介(髭,パスピエ)/Drums

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