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今年はインフルエンザの流行が「2ヶ月近く」早い!いったいなぜ?

冬に流行するイメージのインフルエンザ。今年はすでに猛威を振るう地域があり、その影響で都内でも学級閉鎖になる学校も出てきているという。なぜ、今年は流行が早いのか。感染症について詳しい白鴎大学教育学部の教授・岡田晴恵さんが解説した。

【10月15日(火)『JAM THE WORLD』のワンコーナー「CASE FILE」】


■インフルエンザが「8都道府県」で流行の目安を超える

早くも沖縄県ではインフルエンザウイルスが猛威を振るっている。他にも東京都、福岡県、佐賀県、宮崎県、新潟県など8地域がインフルエンザの流行に入ったと岡田さんは説明する。

岡田:全国に5千箇所ほどの内科や小児科、機関病院を含めた病院からインフルエンザの定点調査が行われています。現時点で8都道府県から1週間に1人以上のインフルエンザ患者が受診したという報告があり、それがインフルエンザの流行の目安を超えていました。ただ、沖縄県以外は真冬のようにインフルエンザが全国で猛威を振るっているとはまだ言えません。とは言え、沖縄県以外の地域でも(例年より)2カ月近く早いインフルエンザの流行の開始や、その影響による学級閉鎖などが話題に上っています。


■今年のインフルエンザの流行が早い理由は?

なぜ例年より早い時期にインフルエンザの流行が来ているのか? 理由は大きく2つある。1つは、外国からインフルエンザウイルスが持ち込まれるケースだ。

岡田:インフルエンザは温帯地方だと寒い季節に流行しますが、熱帯地方だとそのピークがなく、インフルエンザの患者は1年中います。また、亜熱帯地方だと雨季を中心にインフルエンザが流行する。そのように、地球上ではいつでもどこでもインフルエンザが流行っています。

日本への外国人観光客や海外旅行をする日本人など、海外との交流が激しくなる中で、インフルエンザが流行する国からそのウイルスが持ち込まれているという。

岡田:最近の日本は冷房を効かしたり密閉された部屋で過ごしたりする環境が多いことから、患者が図らずもインフルエンザウイルスを海外から日本に持ち込むと、そのウイルスが流行り出すという状況があります。

もう1つの理由として、岡田さんは「日本の亜熱帯化」をあげた。

岡田:地球温暖化により日本も平均気温が上がり、特に沖縄県は亜熱帯地方の流行をまともに受けています。そのことから、インフルエンザに限らず感染症の季節性の流行が崩れてきています。今後は真冬に流行るイメージのインフルエンザが今年のように早まったり、4月や5月になってもインフルエンザの患者がいたり。そういう状況が当たり前に来るのかなと思います。

今は「ラグビーワールドカップ2019日本大会」をはじめ、日本で多くの国際的なイベントが開催されている。そのために外国人観光客も増えていることから、海外からインフルエンザウイルスの持ち込みがあったのではないかと岡田さんは推察した。今シーズンは早めにインフルエンザ対策をする必要がありそうだ。

『JAM THE WORLD』のワンコーナー「CASE FILE」では、17日(木)までインフルエンザを特集する。時間は19時30分頃から。要チェック!

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年10月22日28時58分)
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【番組情報】
番組名:『JAM THE WORLD』
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/ 

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