チケット転売規制法の課題とは? いたちごっこになる可能性も…弁護士が解説

J-WAVEで放送中の番組『JAM THE WORLD』(ナビゲーター:グローバー)のワンコーナー「KODANSHA CASE FILE」。1月17日(木)のオンエアでは、太田純法律事務所の弁護士・太田 純さんに、6月から施行されるチケット転売規制法の今後の課題について訊きました。


■電子チケットによる不正転売防止の試み

チケット転売規制法は、紙のチケットと電子チケットのどちらも対象になっていますが、他人から他人への流通を考えると、紙のチケットは簡単に転売されやすいと太田さんは指摘します。

太田:仮に、電子チケットがスマートフォンのような端末とひも付いているのであれば、機種ごと人に貸したりあげたりするのは、一般の消費者からするとかなり抵抗感があると思います。そのため、チケットが紙媒体から脱却し、電子チケットが普及することに主催者側も注力していかなければいけません。

すでにいくつかの会場で、QRコードなどで入場資格を電子チケット化し、入場ゲートで読み取る仕組みを採用しています。

太田:現在、マイナンバーとチケットをひも付けてはどうかという議論もすでにはじまっています。それを進めるのであれば、きちんとした個人情報の管理をしていかなければいけません。


■発券前のチケットはチケット転売規制法の規制対象にならない

「チケット転売規制法」の法技術的な課題について、太田さんは以下のように話します。

太田:この法律の規制対象は、あくまでも紙チケットであれ電子チケットであれ、発券されたチケットが対象になります。そのため、「チケットが当選しました」という権利のようなものは対象になっていません。

たとえば、スポーツイベントやライブに行きたいと考えたときに、チケット応募をして「あなたはこのイベントに当選しました。○日までにコンビニエンスストアで入金すればチケットが付与されます」という段階では、今回の法律の規制対象にはなりません。

太田:そのあたりの法整備を拡充させていく必要があるのかという点は、残された課題だと思います。おそらくネットダフ屋は、その隙間を狙ってくるので、法律とダフ屋のいたちごっこになるかもしれません。そのため、その問題における法整備についての声も高まってくるのではないでしょうか。

チケット転売規制法の制定過程において、与野党の反対意見が少なかったことにより、不安が残ると太田さんは言います。

太田:この法律は、細かい規定についてあまり議論を詰めることなく、かなり急いで条文を作成しました。現場では「この法律がやっとできたか」というくらいに過ぎず、まだ不十分であるため、施行後の積み上げの中でさらに法律を整備する必要があると思います。

チケット転売規制法により、不正転売は減っていくのでしょうか。今後の動向にも注目です。

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【番組情報】
番組名:『JAM THE WORLD』
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld

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