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EGO-WRAPPIN'とnever young beachが対バン! 六本木を幸せな空気で包む【ライブレポ】

EGO-WRAPPIN'とnever young beachが対バン! 六本木を幸せな空気で包む【ライブレポ】

第5回を迎えたJ-WAVE & HOT STUFF presents【LIVE OASIS】が9月20日、東京・六本木のEX THEATER ROPPONGIで行われた。2014年に活動開始し昨年メジャーデビューしたばかりだが、音楽ファンの間で人気が高まり続けているnever young beachと、結成20年を迎えた最高のライヴ・バンドEGO-WRAPPIN'とが出演するとあって、満杯の会場は熱気に包まれていた。また、このイベントが5回目の節目であることに加えて、主催するJ-WAVEが開局30周年、HOT STUFF PROMOTIONは創業40周年を迎えたこともあり、両バンドともお祝い気分もあったのだろう、気持ちのいいライヴでこのイベントを盛り上げた。

J-WAVE & HOT STUFF presents【LIVE OASIS】
まず登場したnever young beachは、ゆったりとした「散歩日和に布団がぱたぱたと」からスタート。大先輩との2マンに緊張していたようだが、持ち前の気取りのない佇まいが瞬く間に友達のような気分にさせてくれる。安部勇磨(Vo,G)の通りのいい歌が気持ちのいい風を感じさせ、阿南智史(G)とサポートの森雄大(G)との細やかなギターが小気味良いグルーヴを作り出すと、このバンドならではの和みモードが生まれた。巽啓伍(B)鈴木健人(B)はシンプルに演奏を支えながら、次第に大きなビートに繋いでいく。この日のMCを務めたJ-WAVEナビゲーターの渡辺祐が、「彼らの音楽を聴いていると、日常が音楽と思えてくる」と言った通り、馴染みの路地裏を歩いているような景色を彼らの音楽が運んできた。

J-WAVE & HOT STUFF presents【LIVE OASIS】
「なんもない日」や新曲「春らんまん」など新旧の曲を演奏するにつれて、バンドもフロアも温まった。最初は「初めて会った人と握手するような気持ち」と言っていた安部が「楽しくなってイエー!とか声あげたら、みんなもやってくれると」と呼びかけるとオーディエンスも待ってましたと声を上げ、たちまちフロアとステージが一つになった。「あまり行かない喫茶店で」「どうでもいいけど」と曲が進むほどに安部のシャウトも飛び出し、阿南たちのギターも熱を帯びてくると、オーディエンスもジャンプしたり体を揺らしたり。後半には10月3日に10インチのアナログ盤と配信でリリースする新曲「歩いてみたら」を披露、ラストの新曲「いつも雨」まで12曲をマイペースで楽しませた。

後半は、ナビゲーター渡辺祐が「音楽を聴きながら歩いていて、見慣れない路地を曲がったらすごいところに出た、ような」と紹介したEGO-WRAPPIN'。彼らはこのイベントの第1回でレキシと共演しており、今回は2回目の出演となる。この日の幕開けは、70年代のソウルフルなインストゥルメンタル曲「PULLY BONE」のカヴァー。控えめだが存在感のある森雅樹のギターを軸に、長年活動をともにしているTHE GOSSIP OF JAXXが息のあった演奏を繰り広げる。ソウル、ファンク、ジャズ、レゲエ、アフリカ音楽など多様な要素を取り入れた変幻自在なサウンドに引き込まれる。そこへヴォーカル中納良恵が歓声に迎えられて登場、伸びやかな声で「10万年後の君へ」「love scene」を歌いながら、J-WAVEとHOT STUFFの周年祝いを織り込んだのは流石だ。

J-WAVE & HOT STUFF presents【LIVE OASIS】
中盤はカラフルにして染みる新曲から、レゲエ仕立てのレッド・ツエッペリン「Whole Lotta Love」のカヴァーと、ディープなサウンドスケープに引き込んだかと思うと、やわらかなアコースティック・サウンドで「サニーサイドメロディー」を聴かせ、オーディエンスをコーラスの陶酔に誘う。そして踊らずにいられない彼らの代表曲「くちばしにチェリー」「GO ACTION」と続いた後半、フロアは至福のカオスとなった。

J-WAVE & HOT STUFF presents【LIVE OASIS】
アンコールに応えたEGO-WRAPPIN'は、never young beachを呼び込み、中納が「平成の名曲ですよね?」と森に確かめた、「さよなら人類」(たま)を全員で演奏。シンプルな原曲の味わいを生かしながら、この顔ぶれならではの厚みのある歌になっていたのは感動的だ。中納と安部がマイクを向けると待ちかねたようにフロアから大きな歌声が響いた。

J-WAVE & HOT STUFF presents【LIVE OASIS】
世代もサウンドも違うnever young beachとEGO-WRAPPIN'だが、彼らに共通するのは柔らかく幸せな空気に包む音楽を奏でていることだろうか。それぞれのバンドと発見したり、こうした出会いを味わえるのが【LIVE OASIS】の醍醐味と改めて思った夜だった。

Text by 今井智子(音楽評論家)
Photo by 仁礼 博

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このライヴの一部は9月29日(土)午前8:00~のワイド・プログラム、J-WAVE『RADIO DONUTS』内でオンエアされます。是非、お聴きください。

【番組情報】
番組名:J-WAVE『RADIO DONUTS』(ナビゲーター:渡辺 祐 / 山田玲奈)
放送日時:2018年9月29日(土) 8:00~12:00
番組サイト:https://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts/

【セットリスト】

■never young beach
1. 散歩日和に布団がぱたぱたと
2. 雨が降れば
3. どんな感じ?
4. なんもない日
5. 春らんまん
6. 気持ちいい風が吹いたんです
7. あまり行かない喫茶店で
8. どうでもいいけど
9. 歩いてみたら
10. 夢で逢えたら
11. なんかさ
12. いつも雨(新曲)

■EGO-WRAPPIN’
1. PULLY BONE
2. 10万年後の君へ
3. love scene
4. (新曲)
5. 5月のクローバー
6. Whole Lotta Love
7. サニーサイドメロディー
8. A Little Dance SKA
9. くちばしにチェリー
10. GO ACTION

■アンコール: EGO-WRAPPIN’+never young beach
1. さよなら人類(たま)

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