J-WAVEで放送中の番組『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:玄理)のワンコーナー「TOKYO TREASURE」。5月27日(日)のオンエアでは、日本人初のパルクール全米チャンピオン・ZENさんをお招きして、パルクールの魅力に迫りました。
■人間の可能性を感じる動き
ZENさんによると、パルクールは元来、トレーニングの文化で、ビルからビルに飛び移ったり、壁を蹴ってアクロバティックな動きを通して、自分の体を知っていくという、どちらかというと筋トレに分類されるカルチャーだと言います。ここ最近では、スポーツや競技的な部分が徐々に注目されてきています。
ZENさんがパルクールを知ったのは、15歳の頃。同級生がパルクールの映像集を見せてくれて「人間ってこんな動きができるんだ」と、人間の可能性を感じたそう。ただし、そのときは自分もできるとは思っておらず、「自分の知らない世界がある」ということに驚いたとのこと。映像を見るまではパルクールの世界を知らなかったため、「自分の中にもそういうものが眠っているかもしれない」と思ったとか。
その後、単身渡米して18歳で帰国し、世界大会で日本代表として出場してベスト5に入ります。19歳で日本初のプロパルクールアスリートになり、2015年にはアジア人として前人未到の全米チャンピオンに輝きます。
現在は、世界各国のトップパルクールアスリートで構成されたインターナショナルチーム「Team Farang」の一員として、 拠点をロサンゼルスに移し、世界中で活動を続けています。
■パルクールに年齢は関係ない?
パルクールの発祥はフランス。30年ほど前に生まれたばかりです。
ZEN:スラムな場所だということもあり、自分の体や家族の身を守るためにトレーニングをしたいという思いから、フランスの若者たちが集まって、自分のまわりにある環境を使って、実際に使える体を鍛えたっていうことがルーツになっています。
玄理:パルクールは、世界的に認知度は高いですか?
ZEN:最近ではすごい勢いで広がっていて、年齢問わず、おじいちゃんやおばあちゃんまで楽しんでいるような文化になっている印象です。
玄理:おじいちゃんがパルクールをやって大丈夫ですか?!
ZEN:回転といったエクストリームなことはしてませんが、バランスをとって、捕まってよじ登ったりする動きの中で体を鍛えて楽しんでいます。
玄理:実際にトレーニングするときは、街の中でするんですか?
ZEN:場所は問わないので、自分の周りにある環境を使って鍛えます。
玄理:「危ないよ!」って注意されたりしません?
ZEN:それはありますね(笑)。
■精神に大きく左右されるスポーツ
筋肉を使うスポーツというイメージがありますが、精神面を鍛えることも重要だとZENさんは言います。
ZEN:特徴的なのは、筋肉と同じくらい、精神力を鍛えるところにあります。人間の体はパフォーマンスが完成していても、精神面でそれを制御してしまうところがあって、自分の大舞台でパフォーマンスを出そうとすると緊張して、普段はできることができないとか、そういうことをなくすために精神面を鍛えるということ。
玄理:なるほど。
ZEN:だから、ビルとビルの間を飛ぶ行為って、実はスリルを味わう楽しさというだけではなくて、自分の精神面を究極に鍛えていった結果、自分ができることがどんな環境でもできるということなんです。あれは、その最終着地点。
玄理:パルクールをやっていく上で、精神面も大事ということですね。
■アウェイでチャンピオンに
ZENさんは、22歳のときにカナダで行われた大会で、アジア人初のチャンピオンに輝きました。アジアから参加したのはZENさんだけという、アウェイな空気だったとか。
玄理:どうやって優勝が決まるんでしょうか?
ZEN:コンテストには、2018年現在は3つの形があります。1つは「スタイル」というフィギュアスケートに近い採点競技で、表現を競ったりするフリースタイルがあります。あとは2つめが「スピード」と、3つめが「スキル」。スキルが、どれだけ高く跳べるか、高く登れるか、という競技です。
ZENさんは、2本のバーの間を跳んだ最長距離(3.5メートル)の記録を保持しています。
■特徴は「バラバラなこと」
現在活動している「Team Farang」は、6人のメンバーで構成されています。国籍は全員バラバラで、ZENさん以外は、ドイツ、オーストラリア、フィンランド、ラトビア、タイです。
玄理:具体的にはどんな活動をしていますか?
ZEN:世界中のイベントに招待してもらったり、ジャムを開いたり、昨年はヨーロッパツアーをさせてもらいました。あとは映像を各国で撮って、YouTubeなどにアップしていくのがメインです。
玄理:得意な分野はあるんですか?
ZEN:それもむしろバラバラで、それぞれが別のスタイルを持っています。というのも、これもパルクールの特徴的な部分なんですけれども、周りの環境を利用するので、街並みや自分の住んでるエリアによって、周りの建物の形とかが違うじゃないですか。国も6人がバラバラなので、トレーニングができる動きが変わってきちゃうんです。
玄理:東京で練習すると、どういう技が得意になるんですか?
ZEN:東京は、パフォーマーやダンサーが集まる場所なので、一流のエンターテイナーたちから刺激を受けて、それを自分のパルクールスタイルに生かすというか、いろいろな要素からヒントを得て、自分のパルクールに変えていっています。今までになかったオリジナルティで、評価してもらえるようになりました。
今後、パルクールアスリートとして挑戦したいことをお訊きすると「世界に向けてパルクールの魅力を発信していきたい。少年少女がパルクールを知るきっかけを作りたい」と話しました。ZENさんの今後の活躍から目が離せませんね。
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【番組情報】
番組名:『ACROSS THE SKY』
放送日時:日曜 9時-12時
オフィシャルサイト: http://www.j-wave.co.jp/original/acrossthesky/
■人間の可能性を感じる動き
ZENさんによると、パルクールは元来、トレーニングの文化で、ビルからビルに飛び移ったり、壁を蹴ってアクロバティックな動きを通して、自分の体を知っていくという、どちらかというと筋トレに分類されるカルチャーだと言います。ここ最近では、スポーツや競技的な部分が徐々に注目されてきています。
ZENさんがパルクールを知ったのは、15歳の頃。同級生がパルクールの映像集を見せてくれて「人間ってこんな動きができるんだ」と、人間の可能性を感じたそう。ただし、そのときは自分もできるとは思っておらず、「自分の知らない世界がある」ということに驚いたとのこと。映像を見るまではパルクールの世界を知らなかったため、「自分の中にもそういうものが眠っているかもしれない」と思ったとか。
その後、単身渡米して18歳で帰国し、世界大会で日本代表として出場してベスト5に入ります。19歳で日本初のプロパルクールアスリートになり、2015年にはアジア人として前人未到の全米チャンピオンに輝きます。
現在は、世界各国のトップパルクールアスリートで構成されたインターナショナルチーム「Team Farang」の一員として、 拠点をロサンゼルスに移し、世界中で活動を続けています。
■パルクールに年齢は関係ない?
パルクールの発祥はフランス。30年ほど前に生まれたばかりです。
ZEN:スラムな場所だということもあり、自分の体や家族の身を守るためにトレーニングをしたいという思いから、フランスの若者たちが集まって、自分のまわりにある環境を使って、実際に使える体を鍛えたっていうことがルーツになっています。
玄理:パルクールは、世界的に認知度は高いですか?
ZEN:最近ではすごい勢いで広がっていて、年齢問わず、おじいちゃんやおばあちゃんまで楽しんでいるような文化になっている印象です。
玄理:おじいちゃんがパルクールをやって大丈夫ですか?!
ZEN:回転といったエクストリームなことはしてませんが、バランスをとって、捕まってよじ登ったりする動きの中で体を鍛えて楽しんでいます。
玄理:実際にトレーニングするときは、街の中でするんですか?
ZEN:場所は問わないので、自分の周りにある環境を使って鍛えます。
玄理:「危ないよ!」って注意されたりしません?
ZEN:それはありますね(笑)。
■精神に大きく左右されるスポーツ
筋肉を使うスポーツというイメージがありますが、精神面を鍛えることも重要だとZENさんは言います。
ZEN:特徴的なのは、筋肉と同じくらい、精神力を鍛えるところにあります。人間の体はパフォーマンスが完成していても、精神面でそれを制御してしまうところがあって、自分の大舞台でパフォーマンスを出そうとすると緊張して、普段はできることができないとか、そういうことをなくすために精神面を鍛えるということ。
玄理:なるほど。
ZEN:だから、ビルとビルの間を飛ぶ行為って、実はスリルを味わう楽しさというだけではなくて、自分の精神面を究極に鍛えていった結果、自分ができることがどんな環境でもできるということなんです。あれは、その最終着地点。
玄理:パルクールをやっていく上で、精神面も大事ということですね。
■アウェイでチャンピオンに
ZENさんは、22歳のときにカナダで行われた大会で、アジア人初のチャンピオンに輝きました。アジアから参加したのはZENさんだけという、アウェイな空気だったとか。
玄理:どうやって優勝が決まるんでしょうか?
ZEN:コンテストには、2018年現在は3つの形があります。1つは「スタイル」というフィギュアスケートに近い採点競技で、表現を競ったりするフリースタイルがあります。あとは2つめが「スピード」と、3つめが「スキル」。スキルが、どれだけ高く跳べるか、高く登れるか、という競技です。
ZENさんは、2本のバーの間を跳んだ最長距離(3.5メートル)の記録を保持しています。
■特徴は「バラバラなこと」
現在活動している「Team Farang」は、6人のメンバーで構成されています。国籍は全員バラバラで、ZENさん以外は、ドイツ、オーストラリア、フィンランド、ラトビア、タイです。
玄理:具体的にはどんな活動をしていますか?
ZEN:世界中のイベントに招待してもらったり、ジャムを開いたり、昨年はヨーロッパツアーをさせてもらいました。あとは映像を各国で撮って、YouTubeなどにアップしていくのがメインです。
玄理:得意な分野はあるんですか?
ZEN:それもむしろバラバラで、それぞれが別のスタイルを持っています。というのも、これもパルクールの特徴的な部分なんですけれども、周りの環境を利用するので、街並みや自分の住んでるエリアによって、周りの建物の形とかが違うじゃないですか。国も6人がバラバラなので、トレーニングができる動きが変わってきちゃうんです。
玄理:東京で練習すると、どういう技が得意になるんですか?
ZEN:東京は、パフォーマーやダンサーが集まる場所なので、一流のエンターテイナーたちから刺激を受けて、それを自分のパルクールスタイルに生かすというか、いろいろな要素からヒントを得て、自分のパルクールに変えていっています。今までになかったオリジナルティで、評価してもらえるようになりました。
今後、パルクールアスリートとして挑戦したいことをお訊きすると「世界に向けてパルクールの魅力を発信していきたい。少年少女がパルクールを知るきっかけを作りたい」と話しました。ZENさんの今後の活躍から目が離せませんね。
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【番組情報】
番組名:『ACROSS THE SKY』
放送日時:日曜 9時-12時
オフィシャルサイト: http://www.j-wave.co.jp/original/acrossthesky/