地下鉄サリン事件、関連の裁判が終結…被害者遺族はどう過ごしてきたか?

J-WAVEで放送中の番組「JAM THE WORLD」(ナビゲーター:グローバー)のワンコーナー「UP CLOSE」。3月1日(木)のオンエアでは、木曜日のニュース・スーパーバイザーを務める堀潤が、「地下鉄サリン事件」で夫を亡くされ、「地下鉄サリン事件被害者の会」の代表世話人をされている高橋シズヱさんをお迎えし、被害者遺族の気持ちを伺いました。


■事件から23年…「主人のことをじっくり考えたい」

「地下鉄サリン事件」は、1995年3月20日に発生しました。オウム真理教の信者たちが実行犯となり、13名の方々の命を奪い、6000人を超える人々を負傷させた事件です。まもなく23年が経ちます。オウム真理教は、他にもさまざまな事件を起こし、膨大な裁判が行われました。

そして今年1月、最高裁がオウム真理教・元信者高橋克也被告に対する「無期懲役」の判決を確定。これにより、一連のオウム関連裁判がすべて終わりました。はたして被害者、そして被害者遺族のみなさんは、どんな思いでいるのでしょうか?

高橋さん:事件が発生した23年前から今年の1月まで、裁判を傍聴する日々でした。主人が通勤で使っていた路線、千代田線に乗って裁判所まで行って、1日裁判の傍聴をしてということで、本当にその明け暮れでした。

今回、高橋さんは公安調査庁が出した新たなHPで、ご遺族の気持ちを代弁するかたちでの書記を公開されました。その中でも、ご主人の死体検案書ですらじっくり見る機会がなかった、と書かれています。

高橋さん:有機リン中毒で死んだっていう原因だけの大きな字だけ見て、もう次のことをやらなきゃいけないっていう毎日だったので、いまはもう少し主人のことをじっくり考えたいなって心境にはなっています。


■地下鉄サリン事件の被害者に、警察は何を伝えたか

裁判の傍聴を続けてきた高橋さん。なぜ警察は当時、事前の兆候なども含め様々な情報をつかんでいたにも関わらず、もっと早くに捜査ができなかったのか……その疑問は、一連の裁判が終結したことで解消はされたのでしょうか。

高橋さん:警察に関しては、やっぱり「なんで?」っていうのはありました。宗教法人とはいえ、一生懸命、捜査をしていたっていうのはあったでしょうけど……。ただ、元警察庁長官の國松孝次さんにお話を伺ったときに、「『坂本事件のときから警察は何をしてたんだ』って言われたら、私たちは一言もありません」とおっしゃったのを聞いて「もうこれ以上、責められない」と思いました。

一方、オウム真理教で事件に関わった人物たちについては、裁判をいろいろ聞いてきた中でわかったこともあったと言います。

高橋さん:私の日常の中にはないような生活をしている。宗教団体とはいえ、どうして毒ガスを作るんだとか、何千万円のお布施を集めて、それから拉致をしたりとか。本当に悲しませる人をたくさん作った団体だったということも裁判でわかってきたとは思っています。

しかし、「なぜ全てに従ってしまったのか?」という心の問題はまだ残されている、とも話していました。

この他、高橋さんは、麻原彰晃の確定まで10年かかった死刑判決への思いについても話されました。

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【番組情報】
番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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