「ムック本」が生まれたのにはワケがあった?

J-WAVEで放送中の番組「LAUGH SKETCH」(ナビゲーター:佐藤オオキ)。10月22日(土)のオンエアでは『Casa BRUTUS』編集長の松原亨さんをゲストに迎えて「雑誌」をテーマにお送りいたしました。

佐藤:雑誌の特別号みたいなの、いいですよね、永久保存版みたいなの。『Casa BRUTUS』も出してますよね。「ムック」って言うんですよね? あれ何で、ムックなんですか? ひょっとしたら雑誌がガチャピンで、その派生系だからムックなんじゃないかって…
松原:どうかしてるんじゃないですか、その発想(笑)。そんな訳ないじゃないですか(笑)。英語だとMOOKです。BOOKとMAGAZINEの間。なんか残念がらせて申し訳ないんだけど(笑)
佐藤:え、そうなんですね!
松原:これ、流通コードの問題なんですよ。月刊雑誌は1ヶ月で本屋から出版社に戻ってくるんです。雑誌に関しては日本はそういうルールなんです。本はもうちょっと長く置けるルールになってて、見た目が雑誌なのに、本のように本屋さんに長く置いておけるものがムックなんです。
佐藤:そうなんですね。知らなかった!
松原:だから『Casa BRUTUS』がヒット企画をムックにするというのをやり始めたのは10年くらい前なんですよ。なぜかというと、その前は月刊誌だったんだけど、ずっと取材して「ル・コルビュジエ特集」とか「日本の美術館特集」とか、内容がすぐに古くなるものじゃないので、出版社が在庫として持っていたんだけど、それが出版社は6ヶ月しか在庫を持っちゃいけないというルールになって、最初に僕らが考えていた「月刊誌だけど長く売る」というビジネスモデルと違うことになっちゃったんです。そこでムックに人気企画を集めました。そしたらずっと流通できるから。

さらに、松原さんが今面白いと思う雑誌を、お聞きしました。「手前味噌で申し訳ないのだけど…」と紹介したのが『Casa BRUTUS』と同じマガジンハウスの『GINZA』。

松原:この号は、「ファッション雑誌を読みましょう」というファッション雑誌特集ですね。
佐藤:斬新ですね。牛乳パックに「牛乳を飲みましょう」って書いているようなものですよね(笑)。
松原:普通と違う、ファッション雑誌のコピーをはなから拒否という…こういうのは世界でも珍しんじゃないかと。

ちなみに次号の『Casa BRUTUS』は、写真家の杉本博司さんがゲストライター&エディターとして、日本の名建築を選び、書くという特集だとか。

松原さんは「これだけみんながデジタルでスマホで情報を得る時代だからこそ、わざわざ紙に印刷するからには、印刷するならではのことがないといけないだろうと思うわけです、紙でしか味わえない読書体験だったり。『Casa BRUTUS』はそもそも家でソファで読んでもらうことを想定して創刊したので」と、雑誌ならではの意義について最後まで思いを語っていました。

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【番組情報】
番組名:「LAUGH SKETCH」
放送日時:毎週日曜 23時-23時54分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/laughsketch/

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