J-WAVEで放送中の番組「JAM THE WORLD」(火曜担当ナビゲーター:堀潤)のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」。6月13日(火)のオンエアでは、「刑法性犯罪を変えよう!プロジェクト」のメンバー で、「ちゃぶ台返し女子アクション」共同発起人の鎌田華乃子さんをゲストにお迎えし、お話を聞きました。
6月8日(木)、性犯罪の厳罰化を含む刑法改正案が衆議院本会議で可決されました。その特徴は主に4つに分けられます。まずは「非親告罪化」。これまでは被害にあった当事者が告訴することで初めて罪に問うことができましたが、本人だけに負わせるのは負担が大きいのではということで、被害者の告訴が無くても裁判に掛けられるようにしていこうというものです。
二つめが、男性被害者も対象になり、「男性に対する強制性行為も処罰対象」となります。三つめが、「親などの監護者による18歳未満の子どもに対する性行為の刑罰化」、そして最後が「強姦罪の厳罰化」で、強姦罪については法定刑の下限を3年から5年に引き上げようというものです。
ところがこの法案が可決成立したとしても、カバーされない性犯罪被害者の方々がいるのだそう。これまで問題視されながらも刑法に含まれていなかった部分が、今回の刑法改正案に盛り込まれ、いい方向に変わっているように感じられるのですが、「現状の刑法改正案には足りない部分がある」と鎌田さんは指摘します。中でも、被害者の“ケア”に関しては残念ながらまだまだ不十分なようです。
たとえば警察での取り調べについて、被害者が警察に行くと、「なんで抵抗しなかったのか?」「どんな服装だったのか?」「なんで助けを呼ばなかったか?」など、次々と聞かれるのだとか。さらに、被害者のこれまでの性的な関係などあまり関係なさそうなことも聞かれるそうです。
「もちろん真相究明のため、捜査に必要な質問も含まれているかもしれませんが、もっと配慮して質問できるのではないかと思います。また警察だけでなく、検察、裁判でも同じ質問を繰り返されるので、被害者は嫌な記憶をその度に思い出す“セカンドレイプ”を経験することになるのです」(鎌田さん、以下同)
諸外国では、被害者のケアを考慮し、警察、検察、司法関係者、カウンセラーらが一堂に会して、一度で済むような聞き取りを行うそうです。また、カウンセラーがしっかりとケアをすることで、当事者の負担を減らしながらもいかに真相解明を進めていくかという点が整備されているのだとか…。
また、病院と警察のホットラインを開設する必要性については、政府の政策では、全都道府県にワンストップセンターを作る方向で進められているそうですが、全都道府県に作ると言っても、都道府県によってひとつでは足りないところもあり、問題点も多いようです。
警察に行っても病院と繋がっていなかったり、逆に病院に行っても警察と繋がっていないなど、関係各所が繋がっておらず、“ワンストップ”な状態ではないそう。そこで鎌田さんたちは「病院にワンストップセンターを作るべきではないか」と考えているそうです。被害に遭われた方は、まず病院に行き、手当を受けますが、その際に手当を受けながら支援を受けられるサービスが整っていれば、被害者をケアする間口がもっと広がるのだとか。病院であれば24時間365日空いていること、またもし旗艦病院にワンストップセンターを置くことができればかなりの数をカバーすることができるそうです。
「WHOのデータでは、120万人に1ヵ所のワンストップセンターが必要と言われていますが、日本は、各都道府県にやっとひとつという、全然足りない状況なんです」
まだまだ被害者のケアが充実していない現状ですが、そのなかで鎌田さんは、今回衆議院で通った改正案に「付帯決議」がついている点に着目しているそうです。
付帯決議は、法的な拘束力はないものの、「こういう点に留意して法律を施行していきましょう」ということが書けるもので、その中にワンストップセンターを増やしていくことも明記されているそうです。その点については鎌田さんも期待できるとのことでした。
番組では実名と素顔を公表し、記者からのレイプ被害を訴えた詩織さんへのインタビュー模様も放送しました。
さて、14日(水)の「JAM THE WORLD」では、俳優の東出昌大さんが生出演。安田菜津紀が、東出さんの死生観や気になるニュースについて伺います!
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:平日 20時-22時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
6月8日(木)、性犯罪の厳罰化を含む刑法改正案が衆議院本会議で可決されました。その特徴は主に4つに分けられます。まずは「非親告罪化」。これまでは被害にあった当事者が告訴することで初めて罪に問うことができましたが、本人だけに負わせるのは負担が大きいのではということで、被害者の告訴が無くても裁判に掛けられるようにしていこうというものです。
二つめが、男性被害者も対象になり、「男性に対する強制性行為も処罰対象」となります。三つめが、「親などの監護者による18歳未満の子どもに対する性行為の刑罰化」、そして最後が「強姦罪の厳罰化」で、強姦罪については法定刑の下限を3年から5年に引き上げようというものです。
ところがこの法案が可決成立したとしても、カバーされない性犯罪被害者の方々がいるのだそう。これまで問題視されながらも刑法に含まれていなかった部分が、今回の刑法改正案に盛り込まれ、いい方向に変わっているように感じられるのですが、「現状の刑法改正案には足りない部分がある」と鎌田さんは指摘します。中でも、被害者の“ケア”に関しては残念ながらまだまだ不十分なようです。
たとえば警察での取り調べについて、被害者が警察に行くと、「なんで抵抗しなかったのか?」「どんな服装だったのか?」「なんで助けを呼ばなかったか?」など、次々と聞かれるのだとか。さらに、被害者のこれまでの性的な関係などあまり関係なさそうなことも聞かれるそうです。
「もちろん真相究明のため、捜査に必要な質問も含まれているかもしれませんが、もっと配慮して質問できるのではないかと思います。また警察だけでなく、検察、裁判でも同じ質問を繰り返されるので、被害者は嫌な記憶をその度に思い出す“セカンドレイプ”を経験することになるのです」(鎌田さん、以下同)
諸外国では、被害者のケアを考慮し、警察、検察、司法関係者、カウンセラーらが一堂に会して、一度で済むような聞き取りを行うそうです。また、カウンセラーがしっかりとケアをすることで、当事者の負担を減らしながらもいかに真相解明を進めていくかという点が整備されているのだとか…。
また、病院と警察のホットラインを開設する必要性については、政府の政策では、全都道府県にワンストップセンターを作る方向で進められているそうですが、全都道府県に作ると言っても、都道府県によってひとつでは足りないところもあり、問題点も多いようです。
警察に行っても病院と繋がっていなかったり、逆に病院に行っても警察と繋がっていないなど、関係各所が繋がっておらず、“ワンストップ”な状態ではないそう。そこで鎌田さんたちは「病院にワンストップセンターを作るべきではないか」と考えているそうです。被害に遭われた方は、まず病院に行き、手当を受けますが、その際に手当を受けながら支援を受けられるサービスが整っていれば、被害者をケアする間口がもっと広がるのだとか。病院であれば24時間365日空いていること、またもし旗艦病院にワンストップセンターを置くことができればかなりの数をカバーすることができるそうです。
「WHOのデータでは、120万人に1ヵ所のワンストップセンターが必要と言われていますが、日本は、各都道府県にやっとひとつという、全然足りない状況なんです」
まだまだ被害者のケアが充実していない現状ですが、そのなかで鎌田さんは、今回衆議院で通った改正案に「付帯決議」がついている点に着目しているそうです。
付帯決議は、法的な拘束力はないものの、「こういう点に留意して法律を施行していきましょう」ということが書けるもので、その中にワンストップセンターを増やしていくことも明記されているそうです。その点については鎌田さんも期待できるとのことでした。
番組では実名と素顔を公表し、記者からのレイプ被害を訴えた詩織さんへのインタビュー模様も放送しました。
さて、14日(水)の「JAM THE WORLD」では、俳優の東出昌大さんが生出演。安田菜津紀が、東出さんの死生観や気になるニュースについて伺います!
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【番組情報】
番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:平日 20時-22時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/