周防正行に聞く、痴漢に疑われたら真っ先にすべきこと

J-WAVEで放送中の番組「JAM THE WORLD」(月曜担当ナビゲーター:津田大介)のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」。6月12日(月)のオンエアでは、社会問題化する“痴漢冤罪”について、2007年に映画「それでもボクはやってない」で、日本の刑事裁判のあり方を世に問うた映画監督・周防正行さんお迎えして話を伺いました。

5月15日、東急田園都市線・青葉台駅で痴漢を疑われた男性が線路に飛び降り、進入してきた電車にはねられて死亡した事故をはじめ、このところ、痴漢を疑われた人が線路に逃げるケースが相次いでいます。「駅の事務室に行ったら終わり」「警察に連行されたら簡単には解放してもらえない」といった話がいろいろな形で広まったことも影響しているようですが、さらに背景には痴漢捜査における日本の刑事裁判のあり方にも問題がありそうです。

周防さんがこの問題を映画で取り上げたのは10年前ですが、「痴漢冤罪」の問題についてこの10年で変わった点を伺うと、「以前は、東京地裁は『否認していると勾留23日間』という現実があったのですが、今は否認しているからといって必ずしも勾留するわけではなく、2日ほど警察にいて、そのあと検察に送致。そこで検察官が勾留請求しても裁判所が却下するケースが増えているようです」(周防さん、以下同)

周防さんは、誰かに「痴漢だ!」と腕を掴まれたときの対処法を次のように提案します。

「これはぜひとも周知徹底させたいんですが、まず、名刺や身分証明書を見せ、身元を相手に明らかにし、自分は逃げも隠れもしないと示すこと。もし相手が自分に痴漢をされたと言うのであれば、『自分はこの場を離れるので、後で警察に伝えてください』と言う。もしそれでも相手が譲らない場合、相手に確保された時点で“私人による現行犯逮捕”になっているので、すぐ弁護士に連絡し、弁護士が来るまでその場を動かないこと。そのためにも普段からの備えとして、弁護士事務所を調べておくことも必要です」。

それでも駅事務室に連れて行かれ、警察に行くことになったら、「当番弁護士」を呼んでもらうように、と周防さん。「こう言われたら警察は弁護士に連絡せざるを得ないので、やってなければ『やってない』とだけ告げて、取調室では弁護士が来るまで一切質問に答えず待っていてください。弁護士にその後の流れを聞き相談してから、取り調べをどう受けるかを決めてください。弁護士は在宅取り調べへの働きかけをしてくれるので、2日ほどの勾留で済むという流れになると思います」

また、線路内に逃げるという行為については、「ホーム上に誰かを突き落とすことになったり、線路に飛び降りて危険な目にあったり、誰かに取り押さえられたら痴漢の犯人だという証拠を与えてしまうことになるので、絶対やらないで。今は勾留期間も短くなっているので、ちゃんとしたプロセスを踏んでほしい」と語っていました。

コーナー後半では、問題の多い日本の司法制度に“共謀罪”が加わった場合に起きうる懸念点などについてもお話を伺いました。

最後に、津田が「『それでもボクはやってない』のエンディングはどうしてあのオチにしたのですか?」と聞くと、周防さんは「あれが現実だから。裁判が最後に真実を明らかにするという幻想を打ち砕きたくて、みんなに、本当に嫌な思いで映画館を出てほしかったんです。日本の刑事裁判はこれほど酷いものだということをきちんと伝えたかった」と答えていらっしゃいました。痴漢冤罪事件だけでなく、裁判制度自体への認識を改めて考えさせられるオンエアとなりました。

さて、14日(水)の「BREAKTHROUGH!」コーナーでは、俳優の東出昌大さん生出演します。

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【番組情報】
番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:平日 20時-22時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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