祖国を思い続けたルーマニアの作曲家

J-WAVEの番組「GOOD NEIGHBORS」のワンコーナー「DAIWA HOUSE SECRET NOTES」(ナビゲーター:西村由紀江)。6月7日(水)のオンエアでは、親しみやすくて思わず口ずさみたくなる、クラシックとポップスのいいとこどりをしたようなライト・クラシックの名曲「ホラ・スタッカート」をご紹介しました。

作曲したのは、20世紀前半に活躍したルーマニアのロマのバイオリニスト兼作曲家、グリゴラシュ・ディニク。

“ホラ”はルーマニアの民族舞曲のひとつ。ブカレスト生まれのディニクは幼い頃から慣れ親しんだこの舞曲が大好きで、ホラにちなんだ楽曲をたくさん作ったそうです。ちなみにこの曲は、ディニクがブカレスト音楽院を卒業するときの卒業作品だったのだとか。バイオリンの曲で、優雅というよりはドライブ感があり、民族的な響きも魅力的な一曲です。

この曲を気に入ったのが、名バイオリニストのヤッシャ・ハイフェッツ。彼はこの曲を編曲し、コンサートでしばしば演奏して、世界的に有名にしてしまいました。

強力なバックアップを得たディニクは、ロマという自分のルーツに根差した音楽を演奏する楽団を結成。指揮者、バイオリニストとして、自分の作品をはじめ、民謡や世界の愛唱歌などを演奏し、世界をツアーでまわる生活を40年近く続けました。

彼はまた、少数民族として虐げられていたルーマニアに住むロマの人権運動にも関わり、1930年、41歳のときにはなんと名誉大統領に。世界を旅しながらも祖国を思い続け、尊敬される人だったようです。

※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:「DAIWA HOUSE SECRET NOTES」
放送日時:月・火・水・木曜 15時10分-15時15分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/secretnotes/

関連記事