魚の目利きもIT化? 水産業界のIT革命がアツい

J-WAVE日曜深夜の番組「GROWING REED」(ナビゲーター:岡田准一)。5月28日(日)のオンエアでは、株式会社フーディソン・代表取締役CEOの山本徹さんをゲストにお迎えしました。

山本さんは日本の水産業の流通にITで革命をもたらし、旬の魚を全国に届ける新たなシステムを構築。食べる人、漁師、そして魚たちにとっても幸せな流通とは一体どんなことなのでしょうか? じっくりとお話をお聞きしました。

「立ち上げ期にまず何から始めるかっていうのが、ベンチャーとしてはすごい重要なテーマ選びだと思うんですけど、食の中でどこから始めるかって考えた時に、水産から始めましょう、ということで水産の流通に目をつけました」(山本さん、以下同)

そもそも山本さんはこれまで不動産業界や介護業界の仕事をしていたのですが、そこから水産業界に参入したのには、あるサンマ漁師さんとの出会いがあったそうです。

「その時、サンマの漁師さんから言われたのが、『サンマが1キロ10円から30円でしか売れなくて、獲っても獲っても儲からなくて、油代も出ないから辞めようと思ってるし、子どもにも継がせないと思ってる』って話。もしかしたらサンマ(漁)って担い手がいなくなってしまうんじゃないかと思い、意外に自分に身近な話なんだって、初めて当事者として問題を持ったのがきっかけでした」

山本さんがすごいのは、この話を聞いた4ヶ月後には会社を立ち上げたというところ。「“自分が一生、お客さんでもいられるようなサービス”をやりたいって思っていたんですね。自分が顧客目線でいるためには、自分がお客さんでいられるサービスが重要」とおっしゃいます。

フーディソンが取り組んでいる、これまでの水産業界になかった新しい仕組みは、“IT”を取り入れること。水産の流通にはたくさんの人の手間がかかっています。人件費がかかって儲からない商売だったなら、人がやっている部分をITで置き換えることで効率的に仕事が回せて、かつ費用があまりかからない状態になって、利益が出る…そういう仕組み作りにチャレンジしているそうです。

現在、水産業界では人を採用しにくい状況だそう。魚の鮮度を測る“目利き”の技術を受け継ぐ人がちゃんといればいいのですが、なり手が減っていく中、目利きの技術をIT化する方向性もフーディソンでは考えているそうです。全部をIT化するのは難しいと前置きしつつ、「例えば、表面の水分の保湿量とか、もしかしたら眼球に含まれる水分量とか、そういうもので鮮度を測れるかもしれないですね」と山本さん。

日本人の魚離れが進んでいる昨今、山本さんが掲げる、“食べる人・漁師・魚にとって、幸せな流通”が広がれば、その大きな歯止めになるかもしれませんね! 今後の「フーディソン」が挑戦する革命に要注目です。

【番組情報】
番組名:「GROWING REED」
放送日時:毎週日曜 24時-25時
オフィシャルサイト: http://www.j-wave.co.jp/original/growingreed/

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