果たして「哲学」は、人生の役に立つのか?

J-WAVEの番組「JAM THE WORLD」(木曜担当ナビゲーター:萱野稔人)のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」。4月14日(金)のオンエアでは、高崎経済大学准教授の國分功一郎さんをゲストにお迎えし、「哲学」について考えました。

まず、よく学生から聞かれる質問だという「哲学とは何ですか?」に対して、國分さんは「領域がないもの。哲学はどんな領域にも入りこんでいけて、その領域を、ある種活性化させるようなことができます」と答えます。

講義では「政治とは何か」などを哲学するそうですが、「政治で何が起こっているかは考えても、『政治とは何か』って、あまり考えない。逆にそういう定義をいくつも身につけていくと、今の政治を見る目が変わってくるし、“ブレない視点”が得られますよね」とのことです。

その後、話は、これもよく言われる疑問だという「哲学は役に立たない?」をテーマに展開しました。

國分:僕は明確に役に立つと説明しますね。概念を使うことがうまくなるんです。例えば、「新自由主義という概念は、こういう構成要素があって、世の中で起こっている経済の政策も新自由主義で説明できる」とか、概念を掴み取って言葉で説明することができたり、事象を分析するができるようになります。だから、どんな学問をする人も最初は少し哲学を学んだ方がいいと思うんですよね。

萱野:人間の頭の働きって最後は「○○とは何か」って問いたがりますよね。物理学だって「物とは何か」ってことを探っていく中で、万有引力や量子力学を発見していくわけじゃないですか。「○○とは何か」を突き詰めるために、人間の知性は働きやすくなっている。それを言葉だけを使ってやるのが哲学だと思うんです。

國分:うんうん。

萱野:もっと手前のところで言うと、哲学って「言葉を使って物事を捉える訓練」だと思うんです。そういう点で言うと、みんなそれが好きで、飲み屋でもいろんなことを論じてるじゃないですか。ああいうのも哲学だと思うことがあるんですよね。

國分:そうですね。僕も萱野さんも共通して研究している哲学者のスピノザは、物の定義を大事にしていて、「○○とは何か」って答えるときに、本質を掴んだ定義を出さなきゃいけないんだって言っています。それが訓練だと思うんですよね。そういうことを学生にも訓練していると、物事をうまく定義できるようになる。

萱野:言葉を使うって、頭の活動の基本だって考えると、全てのことに役立つと思うし、それくらいのことを我々哲学をやっている人は言っていいと思うんですけど、「役に立たないのがカッコイイんだ」みたいなことを言ってる人には反対しているんです。

國分:今ってそんなことを言う人、いるんですかね(笑)。今って、いろんな意味で危機の時代でしょ? 危機の時代は「本質から考えたい」って気持ちが出てくるから、哲学が活躍する部分が増えているし。相対的に見れば、かつて平和で安全だった時代には「哲学って役に立たないじゃん」って言われていたのかもしれませんね。

この後もリスナーから寄せられたメールをもとに「安楽死について」「信念とは何か」「愛とは何か」などについて哲学する二人。國分さんは最後に、哲学する姿勢について「否定や肯定の前に、まずはロジックを理解することが一番大切ですよね」と締めくくりました。

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【番組情報】
番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:平日 20時-22時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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