トランプ、テロ…東浩紀が振り返る2016年5つの事件

J-WAVEで放送中の番組「JAM THE WORLD」(月曜担当ナビゲーター:津田大介)のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」。12月26日のオンエアでは、作家・思想家の東浩紀さんを迎えて、同番組の“社説”のような存在の恒例企画「月イチあずまんリターンズ」をお送りしました。

この日のテーマは、「2016年の最後に東さんが語りたい5つの事件」。東さんは2016年を「今年はやばいですね。これから10年、20年振り返った時に、ここが節目だったっていうのは間違いないでしょう」とおっしゃいます。

「今回、“僕が個人的に語れる”ということで…。2016年の大きな5つの事件というと、触れなきゃいけないことがいっぱいあると思います。例えば今日は災害について触れていないですが、軽視しているのではない」と東さん。ではそんな中、どんな事件を選んだのでしょうか。

第5位「障害者施設殺傷事件」
7月26日に神奈川県相模原市の障害者施設で発生し、46人が殺傷された事件。「戦後最大級の大量殺人事件であり、動機もかなりエキセントリックな手紙が衆議院議長に向けて書かれている」(東さん)。そういう点で様々な論点があったはずが、メディアがあまり話題にせず、人々が急速に忘れていってしまうとしたら大問題だとおっしゃいます。決して“加害者に正当性がある”とは思わないが、やはり、なぜ加害者がそういう行為に至ったかという動機を理解しようとしない社会は、犯罪を反復させてしまう危険があると語りました。

第4位「参院選で与党が大勝」
7月10日に投開票された参院選で、憲法改正に賛同する勢力が3分の2の議席を確保。この結果について、「ある意味では当然と思いました。『野党が共闘すれば安倍政権に批判がいっぱい集まるのだから、俺たちもいけるはずだ』と、なんの理念もない皮算用に国民は乗っていかないと思っていたので」と東さん。しかし、将来的に考えると、自民党以外の党が育っていかなければいけないので、今回は民進党に期待して投票したそうです。津田の「どうして野党はダメなんですかね?」との質問に、「僕が聞きたいですよ(笑)」と東さんも笑うしかないようです。

第3位「イギリスが国民投票の結果、EUから離脱を決定」
「“グローバリズム”というのが一つの曲がり角を迎えているのは間違いない」(東さん)。この流れはヨーロッパの国々に今後どういった影響を与えるのか気になりますね。「イギリスがEUという政治システムから離脱するのはいいとして、EU市場からどれくらい離脱するつもりなのか? それによっては、世界経済にも大きなインパクトを与えるものだと思います」(東さん)

第2位「アメリカ大統領選でトランプ氏が勝利」
今回の一番の問題は、人々がそれが嘘だとわかっていても真実だと信じてしまう「ポスト真実問題」だそう。例えばトランプ氏は「メキシコとの間に壁を作る」と言いましたが、そんなことが実現できるとは思っていなくても、惹かれてしまう。「トランプの現象でわかったのは、人間にはそういう弱さがあるということなんです。これは民主主義の根本を揺るがしかねない発見」と東さんは分析します。これまで、政治について、国民は合理的に冷静に考えて判断していたものが、今回は「この人は良い人だ」という感情で判断されたのでは、と言います。嘘だとわかっていても信じてしまう…難しい問題ですが、今後、日本でも起こりうることかもしれません。

第1位「世界各地でテロ」
東さんは、相模原の事件と同じく、テロリストたちが何を考えているのか、なぜテロリストが出てくるのかをしっかり考えていかないと、何回も繰り返されるとおっしゃいます。「付け加えて言えば、まだ日本は対岸の火事なわけですよ。でも今、パリにも来てるし、ベルリンにも来ているんです。東京に来ないとも言えないし、特に2020年にオリンピックがありますから、だんだん僕たちは真剣に考えなくてはいけない時期に来年から入っていくと思います」(東さん)

この5つの事件だけからでも、大きなターニングポイントとなった2016年。今週の「JAM THE WORLD」では、大川豊さん×堀潤(火曜)、佐藤優さん×安田菜津紀(水曜)、古谷経衡さん×萱野稔人(木曜)、海渡雄一さん×青木理(金曜)が、様々な角度から2016年を振り返ります。

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【番組情報】
番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:平日 20時-22時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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