「本は分からないから面白い」という読み方

J-WAVEで放送中の番組「ACOUSTIC COUNTY」(ナビゲーター:坂倉アコ)のワンコーナー「Cosme Kitchen ORGANIC CONCIERGE」。今週は、ブックディレクターの幅允孝さんをお迎えしています。11月8日(火)のオンエアでは、本に対する幅さんの考え方を変えた一冊の本を紹介しました。

幅さんは、慶應義塾大学卒業後、青山ブックセンター六本木店勤務。編集者・石川次郎氏との出逢いから編集を学び、その後独立。2005年に「BACH」を設立。選書、編集、執筆、企画、ディストリビューション、展覧会のキュレーションまで、幅広く活動しています。

幅さんはもちろん子どもの頃から本はたくさん読んでいたそうですが、本を読んでいることは、まわりの人にはあまり言わなかったそうです。その理由は…

「本を読んでいると良いイメージがあるかもしれないけど、一方で本は危いことが書かれているイメージ、人の暗黒面や心をえぐり出す側面もあるっていうイメージが僕の中にあったんですよね」(幅さん、以下同)

その一方で、3歳から18歳まで競泳(!)をやっていて、子どもの頃は毎日5000mを泳いでいたり、ボーイスカウトに参加していたりと、実にアクティブだったそうです。そんな幅さんが最初に衝撃を受けた本は何だったのでしょうか?

「ガブリエル・ガルシア=マルケスの小説『百年の孤独』です。ノーベル賞を受賞した人で、ラテン文学ブームの火付け役となった一人ですが、この作品が非常に読みにくいんです(笑)。それまでは、何かを知りたいとか、何かを分かりたいと思って本を読んでいたんですが、たとえ分からなくても、分からないからこそ楽しいということをこの作品が教えてくれたんです。答えが求められる世の中で、答えが出ない状況に耐えられる人でありたいと思います」

理想は「読んだ後にますます疑問が出てきて分からなくなること」だそうです(笑)。読書が苦手という方もぜひ参考にしてみてください。幅さんのお話は10日(木)まで続きます。放送は14時15分頃からです。どうぞお楽しみに!

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【番組情報】
番組名:「ACOUSTIC COUNTY」
放送日時:月・火・水・木曜 14時-16時30分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/acoustic/

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