野村訓市 夜に音楽を聴いていたら幼稚園児の娘に怒られる

J-WAVEの日曜20時からの番組「antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING」(ナビゲーター:野村訓市)。6月19日のオンエアでは、野村の趣味である「レコード」の魅力、そして、野村がレコードを聴くにあたり、どうしても古い機材が欲しいと思うようになった、ある人物との思い出を語りました。

近年は便利なデジタル音楽機器におされ“マニアックな趣味”の色が強くなったレコード。レコードの音を聴いたことのない人も、増えているのではないでしょうか。そんな中、自宅では50年代の業務用巨大スピーカーとアンプでレコードを聴いている野村。その音の魅力について「録音している歌手の息吹が聴こえる。小さなため息まで耳元で歌われているような音がする」と話します。

日頃聴く機会が少ない音だからこそ“旅”の気分も感じられそう。レコードを聴きながらお酒を飲むことこそ、番組名にもなっている「TRAVELLING WITHOUT MOVING=動かずにする旅」を体現する行為だと野村。

「一人でレコードを聴いていると、たちどころに意識がどこか遠いところに飛ばされ、時間の流れから離れたところへ連れて行かれる。近い思い出、遠くの思い出が重なりあって、いろんなことを思い出したり景色を見たりしたような気がします」

ただ、夜中にそんな“旅”にのめり込んでいたところ、幼稚園児の娘からは「何時だと思ってるの! うるさくて眠れないじゃない!」と舌ったらずな声で怒られたというエピソードも…。

もともと古いものが好きだったという野村ですが、本格的にレコードや骨董オーディオにハマったのは、俳優で映画監督のヴィンセント・ギャロとの出会いがきっかけ。完璧主義者といわれるギャロは、古いアンプやステレオに情熱を注いでおり、部屋のリビングには30年代のアンプやマイクなど、貴重な機材がゴロゴロ。野村はその様子を見て「無骨で、つまみがたくさんついている。つまみがあるとつまみたくなるのが男の心理というもので…」と、古い機材にハマっていってしまったそうです。

実は、ギャロがここまで古い機材を収集する理由は「昔の音がどんな音だったのかを聴くには、作者が録音して、音をチェックしたときに使った機材で、なおかつそれでOKを出したものが最良のもの」だと信じているから。野村もその言葉に共感したといいます。

「たとえば、古いアルテックのスピーカーとアンプが置いてあるスタジオで、酒を飲みながら、シャツ一枚になったマイルス・デイヴィスがトランペットを吹いて、そこでチェックをして『これが最終テイクだ』って言っていたんじゃないだろうかと。ニヤニヤ想像していると、座って音楽を聴いている周りの風景がモノクロになっていく」

その音だけで、どんな時代にも場所にも空想旅行できる「レコード」というメディア。機材も必要で、片面が終わればひっくり返す手間もかかりますが、それも「新しい旅への準備」。梅雨でなんとなく憂鬱な日には、レコードに針を落として“動かずにする旅”を楽しんでみてはいかがでしょうか。

野村訓市とのラジオ上の旅「antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING」は、日曜20時からです。こちらもどうぞお楽しみに。

【関連サイト】
「antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/travelling/

野村訓市 「裸足が“天然の靴”と化せば無敵」(2016年06月13日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/06/post-1757.html

キャンプ経験が豊富な野村訓市 「怪談はご法度…」(2016年05月23日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/05/post-1627.html

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