J-WAVE土曜8時からの番組「RADIO DONUTS」(ナビゲーター:渡辺祐・鷲尾春果)のワンコーナー「TOKYO GAS LIFE IS A GIFT」。6月11日のオンエアではアフリカの大地や秘境で写真を撮りながら、リアルなアフリカを伝えている、ヨシダナギさんをお迎えしました。彼女の驚くべき撮影スタイルから、世界一ファッショナブルな民族との出会いまで、渡辺祐と鷲尾春果の2人が伺いました。
■アフリカが私をフォトグラファーにしてくれた
ヨシダさんは、既にアフリカにある16の国を訪ねています。そもそも、なぜアフリカに興味を持ったのでしょう?
「5歳のときに、日本とマサイ族の文化を交換するというテレビ番組を観て、初めてアフリカ人のことを知ったんですけど、華やかな格好をして、槍を持って、黒い肌で飛び跳ねる仕事だと思ったんです。大きくなったら、この人のようになりたいと思いました」(ヨシダさん、以下同)
幼くしてアフリカ人への憧れを抱いたヨシダさん。ところが、自分が日本人だからアフリカ人にはなれないという現実を両親から突き付けられ、10歳のときに大きく挫折します。しかし、アフリカ人になりたい思いは募る一方。2009年に単身でアフリカに渡り、写真を撮り始めます。撮影のスキルはおろか、言語もままならないまま、現地に飛び込んだそうです。本人曰く「アフリカの地が私をフォトグラファーにしてくれた」とのことでした。
「最初は英語のリスニングすらできなくて、渡航を重ねる度にアフリカ人の英語の発音を覚えていきました。今も上手に喋れなくて、文法はめちゃくちゃです(笑)。うまく話せなくても現地の人が汲み取ってくれると思ってたんですけど、言わないと伝わりませんでした。でも、文法も発音も悪くても、こちらが伝えようとすれば、理解しようとしてくれるんです」
と、伝えようとすることの重要さを語りました。さらにヨシダさんは「現地の人たちも文化も好きだから受け入れてほしい」との意思を伝えるべく、たとえ裸であっても現地の人々と同じ格好をすることにしたそうです。この「同じ格好をする」という発想は、テレビで初めてアフリカ人を見たときから抱いていたそうです。
「裸であることが正装であるのなら、彼らの前で脱ぐということは、私にとっては全く恥ずかしくありません。それに裸族の人たちは洋服を着ている人のことをきちんとわかっていて、みなさんの前で服を脱ぐと『よくここまで脱いだ。本当に私たちのことが好きなんだね』という理解をしてくれるんです」
と、意外なエピソードを紹介してくれました。ちなみに、ヨシダさんが大きな街に買い物に出かけようとすると、現地の人たちの方からヨシダさんに露出を控えるように言ってくるそうです。
「『私たちの前では脱いでもいいけれど、(あなたは)肌をさらす文化ではないから、必ずあなたは隠しなさい』と、少数民族のみなさんの方が私に気を使ってくれるんです」
とのこと。ヨシダさんと少数民族のみなさんの関係の良さが分かります。渡辺は「お互いに違う文化だということがわかり合えているという、素晴らしい話ですね」と感嘆していました。
とはいえ、文化が違えば驚くことも多いもの。食べ物に小石が混ざっていてビックリしたり、現地の長老にプロポーズされたり、エアコンのスイッチを入れたらイグアナが出てきたり…と大変だったようです。
■“妖精”に魅せられて
今年の春には写真集「SURI COLLECTION」(いろは出版)も発売されました。“世界一ファッショナブルな民族”といわれているエチオピアのスリ族を撮影した1冊です。写真を見た渡辺も「スリ族は上半身が裸で、ペインティングがしてあるんですけど、特に顔のペインティングは綺麗」と絶賛。鷲尾も「みんな真っ直ぐ前を見ていて、ここまで真っ直ぐな写真はないですよね」と関心を寄せていました。
では、ヨシダさんはなぜ、スリ族に興味をもったのでしょうか。実は、数年前に少数民族のことを調べているときにスリ族の写真を見つけ、「同じ地球上にこんな妖精のような人たちがいるのか!」と衝撃を受けたそうです。しかし、スリ族へのコンタクトは困難で2年ほどかかって、やっと現地に行くことができたとか。ところが、すぐに彼らたちのファッショナブルな写真が撮れた訳ではありません。
「スリ族の皆さんに『小さな頃からアフリカの少数民族が好きで、最近は特に君たちのことが非常にカッコいいと思ってるんだ。でも、日本人は君たちのことは知らないため、カッコいい君たちのことを日本人に紹介したいから、めちゃめちゃオシャレをしてカメラの前に立ってくれないか』とお願いをしたんです」
すると、スリ族はプライドが高いこともあり、「なぜ、こんなファッショナブルな俺らのことを日本人は知らないのか!」とビックリしていたとか。それでも、それならば…と、本来はウエディングのときや、満月の日のダンスパーティーなどでしかしないオシャレな格好をしてくれたそうです。
■肝心の日本人の反応は?
スリ族のファッショナブルさを日本人に伝えるべく、スリ族の写真展を開いたところ、それまで写真展というものに行ったことがないという方が多く来られたそうです、その方に動機を聞いてみたところ「『スリ族の生命力や色彩に魅せられた』という人が多かったので、写真ってこういう見せ方もあるんだと、逆に自分がビックリしました」と発見があったというヨシダさん。スリ族の写真集や写真展を通じて、スリ族の人々の思いは届きつつあるようです。みなさんもぜひ手にとってみてください。
【関連サイト】
「RADIO DONUTS」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts/
石川直樹 登山の魅力は「景色よりも生還したとき」(2016年05月30日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/05/post-1671.html
チュニジア定番スイーツ「ハルヴァ・タヒーナ」って?(2016年05月27日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/05/post-1658.html
■アフリカが私をフォトグラファーにしてくれた
ヨシダさんは、既にアフリカにある16の国を訪ねています。そもそも、なぜアフリカに興味を持ったのでしょう?
「5歳のときに、日本とマサイ族の文化を交換するというテレビ番組を観て、初めてアフリカ人のことを知ったんですけど、華やかな格好をして、槍を持って、黒い肌で飛び跳ねる仕事だと思ったんです。大きくなったら、この人のようになりたいと思いました」(ヨシダさん、以下同)
幼くしてアフリカ人への憧れを抱いたヨシダさん。ところが、自分が日本人だからアフリカ人にはなれないという現実を両親から突き付けられ、10歳のときに大きく挫折します。しかし、アフリカ人になりたい思いは募る一方。2009年に単身でアフリカに渡り、写真を撮り始めます。撮影のスキルはおろか、言語もままならないまま、現地に飛び込んだそうです。本人曰く「アフリカの地が私をフォトグラファーにしてくれた」とのことでした。
「最初は英語のリスニングすらできなくて、渡航を重ねる度にアフリカ人の英語の発音を覚えていきました。今も上手に喋れなくて、文法はめちゃくちゃです(笑)。うまく話せなくても現地の人が汲み取ってくれると思ってたんですけど、言わないと伝わりませんでした。でも、文法も発音も悪くても、こちらが伝えようとすれば、理解しようとしてくれるんです」
と、伝えようとすることの重要さを語りました。さらにヨシダさんは「現地の人たちも文化も好きだから受け入れてほしい」との意思を伝えるべく、たとえ裸であっても現地の人々と同じ格好をすることにしたそうです。この「同じ格好をする」という発想は、テレビで初めてアフリカ人を見たときから抱いていたそうです。
「裸であることが正装であるのなら、彼らの前で脱ぐということは、私にとっては全く恥ずかしくありません。それに裸族の人たちは洋服を着ている人のことをきちんとわかっていて、みなさんの前で服を脱ぐと『よくここまで脱いだ。本当に私たちのことが好きなんだね』という理解をしてくれるんです」
と、意外なエピソードを紹介してくれました。ちなみに、ヨシダさんが大きな街に買い物に出かけようとすると、現地の人たちの方からヨシダさんに露出を控えるように言ってくるそうです。
「『私たちの前では脱いでもいいけれど、(あなたは)肌をさらす文化ではないから、必ずあなたは隠しなさい』と、少数民族のみなさんの方が私に気を使ってくれるんです」
とのこと。ヨシダさんと少数民族のみなさんの関係の良さが分かります。渡辺は「お互いに違う文化だということがわかり合えているという、素晴らしい話ですね」と感嘆していました。
とはいえ、文化が違えば驚くことも多いもの。食べ物に小石が混ざっていてビックリしたり、現地の長老にプロポーズされたり、エアコンのスイッチを入れたらイグアナが出てきたり…と大変だったようです。
■“妖精”に魅せられて
今年の春には写真集「SURI COLLECTION」(いろは出版)も発売されました。“世界一ファッショナブルな民族”といわれているエチオピアのスリ族を撮影した1冊です。写真を見た渡辺も「スリ族は上半身が裸で、ペインティングがしてあるんですけど、特に顔のペインティングは綺麗」と絶賛。鷲尾も「みんな真っ直ぐ前を見ていて、ここまで真っ直ぐな写真はないですよね」と関心を寄せていました。
では、ヨシダさんはなぜ、スリ族に興味をもったのでしょうか。実は、数年前に少数民族のことを調べているときにスリ族の写真を見つけ、「同じ地球上にこんな妖精のような人たちがいるのか!」と衝撃を受けたそうです。しかし、スリ族へのコンタクトは困難で2年ほどかかって、やっと現地に行くことができたとか。ところが、すぐに彼らたちのファッショナブルな写真が撮れた訳ではありません。
「スリ族の皆さんに『小さな頃からアフリカの少数民族が好きで、最近は特に君たちのことが非常にカッコいいと思ってるんだ。でも、日本人は君たちのことは知らないため、カッコいい君たちのことを日本人に紹介したいから、めちゃめちゃオシャレをしてカメラの前に立ってくれないか』とお願いをしたんです」
すると、スリ族はプライドが高いこともあり、「なぜ、こんなファッショナブルな俺らのことを日本人は知らないのか!」とビックリしていたとか。それでも、それならば…と、本来はウエディングのときや、満月の日のダンスパーティーなどでしかしないオシャレな格好をしてくれたそうです。
■肝心の日本人の反応は?
スリ族のファッショナブルさを日本人に伝えるべく、スリ族の写真展を開いたところ、それまで写真展というものに行ったことがないという方が多く来られたそうです、その方に動機を聞いてみたところ「『スリ族の生命力や色彩に魅せられた』という人が多かったので、写真ってこういう見せ方もあるんだと、逆に自分がビックリしました」と発見があったというヨシダさん。スリ族の写真集や写真展を通じて、スリ族の人々の思いは届きつつあるようです。みなさんもぜひ手にとってみてください。
【関連サイト】
「RADIO DONUTS」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts/
石川直樹 登山の魅力は「景色よりも生還したとき」(2016年05月30日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/05/post-1671.html
チュニジア定番スイーツ「ハルヴァ・タヒーナ」って?(2016年05月27日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/05/post-1658.html