あずきの「ヒゲ」をつける“アズラー”の素顔

J-WAVE月曜ー木曜朝6時からの番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「SUNSTAR Ora2 MORNING INSIGHT」。5月12日のオンエアでは、「あずき」に魅せられたアーティスト、“アズラー”こと、現代美術家の境貴雄さんをお迎えしました。

境さんは、ご自身の作品である「あずきの蝶ネクタイ」に、自ら探して買ったというあずき柄のシャツ、あずき色のパンツで登場。無数のあずきを顔に付けて「ヒゲ」に見立てた作品を紹介しました。いわば、つけヒゲならぬ「つけあずき」です。とはいえ、本物のあずきではなく、紙粘土を手で丸めて筆で色を塗ったもので、実に手間がかかっています。そもそも境さんがアートの題材としてあずきを選んだきっかけは何だったのでしょうか。

「東京藝術大学のデザイン科出身なんですけど、大学の課題で『伝統とデザイン』という課題を出された時に和菓子を思いつきまして、今までは食べるのが好きだったのを、今度は作品化したというのがきっかけです。(中略)高尚なイメージのある和菓子は、若い人には距離が遠いイメージがあったので、イメージの対局にある笑いやキッチュの要素で、和菓子の魅力を引き立たせられたらと思いました」(境さん、以下同)

この話を聞いた別所哲也は「あずきをヒゲにしようという発想は、凡人には思いつかない!」と感心しきり。

好きなものは常に身につけておきたいという方も多いと思いますが、境さんはあずきをモチーフにした指輪、マイク、ネイルアート、草履なども作成しています。

「あずきは一粒だけだとあずきらしさがないんです。密集していると“あずき感”が出るんです。逆に言えば、どんなものにもあずきが付けられるわけで、あずきとギャップのあるものに付けると、あずきが一層引き立つんです」

しかも、あずきには日本古来からある意味合いがあるらしく…

「色々と調べていくと、日本では、あずきは昔から魔除けの意味があるんです。だから、神様に供えたり、季節ごとにあんこのお菓子を食べたり、お祝いの席でお赤飯を食べたりするのも魔除けや健康祈願をする意味があるんです。そういうことを知った上で作品を見てもらうと、また深みが出るのでははないかと思います」とのことでした。

境さんは、あずきのヒゲをつけて写真撮影をしてくれるモデルさんを募集しています。「身につけて楽しんでいる姿を見るのが楽しみ」という境さんにとって、あずきのヒゲはコミュニケーションツールなのだそうです。

【関連サイト】
「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/index.html

母子アート集団「アーブル美術館」のスゴい結成秘話(2016年5月5日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/05/post-1520.html

江戸時代に“ゆるキャラ”の名手だった天才絵師?(2016年4月30日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/04/post-1488.html

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