2.3兆円!「ネコノミクス」到来の光と影

J-WAVE金曜16時30分からの番組「GOLD RUSH」(ナビゲーター:渡部建)のワンコーナー「CURIOUSCOPE」。5月13日のオンエアでは、猫ブームの現状と問題点について、東洋経済オンライン編集部記者の駅義則さんにお話を伺いました。

今、猫の写真集やカレンダーがバカ売れ! 関西大学の宮本勝浩名誉教授は2月にまとめたリポートで、昨年一年間で2.3兆円の経済効果があったと発表しました。まさに「ネコノミクス」といったところです。猫ブーム到来の理由について、駅さんによると…

「ブログやSNSに、手軽に写真などを投稿できるようになったこともありますが、犬の飼育数が減っているということもあります。それに、猫なら散歩に行かなくていいし、吠えないし、犬に比べて猫はコストがかからないとも言われています。ペットフード協会によると、犬にかかるコストは生涯合計で122万円に対し、猫は67万円としています。しかし、関西大学の宮本教授は、年間11万円かかると読んでいて、生涯170万円はいくのではないかと思います」(駅さん)

猫もコストがかかるということを、飼おうかどうか迷っている人は、頭に入れていきたいところです。ちなみに、現代は少子高齢化社会と言われていますが、こんなデータもあります。

「日本の15歳未満の子どもの数は34年連続で減って、昨年4月1日時点で1,600万人強ですが、実は、犬と猫の国内飼育数合計(昨年10月現在)は1,980万匹と、これよりも多いんです」(駅さん)

この事実に「子どもの数よりも犬や猫の方が多いんですか!」と渡部建もビックリ。景気が厳しい中で、結婚して子どもを作って育てる余裕がなくなってきたということもありますが、猫なら吠えないし、散歩させる手間も要らず、癒しを与えてくるから…ということで、猫を飼う人が増えたとも言われています。

しかし、「猫ブーム」に関する問題は山積みです。

「安直に飼う人が多いこと。かつてシベリアンハスキーという大型犬が大ブームになりましたが、ブームが去った後、ほとんど処分されてしまいました。現在ですら、捨てられる猫が後を絶ちません」(駅さん)

しかも、捨てる人の中には不妊手術をしないで捨てる人も多いとのこと。

「猫の繁殖力は異常に強いので、つがいがいたら一年で数十匹になります。関西にある団体『どうぶつ基金』が全国に出張して、無料で猫や犬の不妊手術をしていますし、不幸な猫の飼い主を見つけるための『ネコリパブリック』というカフェが東京にもできています。よかったら行ってみてください」(駅さん)とのことでした。テレビ番組でも猫特集をよくやっていますが、命を預かるわけですから、衝動買いをせずに慎重に考えたいものです。

【関連サイト】
「GOLD LUSH」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/

「猫ソング」からひも解く、アーティストに猫好きが多い理由(2016年2月23日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/02/post-1258.html

地震が起きたときに、ペットの不安を和らげる方法(2016年4月27日)
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/04/post-1468.html

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